漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

最新モデルと思いきや

■横山さんの日本LD学会の報告を聴きに西区民センターへ。アメリカで取り入れられているRTIというLD判定モデルについてと、日本のLD教育の実践について報告があった。

■RTI(Response to Intervention)とは、認知検査を経ない判定モデルで、指導に対する子供の反応の有無に着目するのだという。手法を変えつつ継続してモニタリング(テスト)を行い、子供の反応に基づいたアプローチをしていく。集団に対して行えるのが強みだ。LD判定を受ける子供が増加し財政を圧迫している、という背景がこのモデルの導入にはあって、なかなか金をかけない日本の教育でも使いやすいかもしれない。

■日本の取り組みでは、朝自習に「漢字タイム」を設けた小学校の事例や、出来たことを言語化し子供本人に伝えるペアレントレーニングが紹介された。めざましい成果を上げたようなものではないが、例えば苦手さから来る学習全体の拒否、自己評価の低下など、二次障害を防ぎ、学ぶ意欲を高めるような結果はきちんと出ている。

■今日の報告を聴いて、やはり教師は授業の実践が本分なんだと強く感じた。RTIだって新しいモデルなんて言ってるが、学校教育のそもそもの形じゃないの。テストは生徒の自己評価と共に、教師の自己評価のためのものでもある。テストの結果、出来ない生徒が多ければ、教え方に問題があるのかもしれない。ではやり方を変えてみよう。そうやって出来ない生徒へ出来ない生徒へ視点を向ける。俺の中では学校教育とはそういうものだ。新しい手法が出てきたはずが、回り回って元に戻ってた感じ。

■いかに良い授業をするか。教師の努力は第一にそこにあるはずで、生活指導だの何だのは余計なものなのだ。教師が安心して授業に専念できる環境を作れるか。教育改革を言うならそこだな、と報告から離れ、思考が勝手に暴走中。