漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

いい加減にせい

■昨日のつどいの後はお家でさらっと早く寝て、今日はいつも通りの月曜日。通信を作成して、訪問。

福田内閣になっての教育改革の新機軸は「4・5制」らしい。小学校四年中学校五年にするということだ。不登校への対応という点が考慮されてのことらしいが、中学校に上がる年齢を早くすればギャップも少なくなると考えているのだろうか。ぼくの見立てでは、小五・六あたりの相当数が、今の小学校の有り様に助けられて不登校にならないでいると思っている。中学進学を早めても子供にかかるストレスを減らすことを考えないなら、不登校の生徒数はより多くなるだろう。中学校の持つ社会的役割やカリキュラム、子供の育ち、教員と子供の関わりなどを検討すること無しには、よりストレス耐性の低い子供を、生徒をうまく操ろうとして失敗している今の中学校に送り込むだけだからだ。

■そういえば、私立中学に進学したが不登校或いは学校でうまくやっていけなくなり、転校もしくは高校から別のところに行くというケースを結構見聞きしている。つどいの中でもあった。中高一貫ならのんびり過ごすことができて、不登校も少ないかといえばそうでもないのだ。このことも、子供との付き合い方を検討しない限り、学年区分をいじったところで不登校が減るということはないという証左ではないか。

■システムを変える方が人を変えるより楽だし政策目標や成果として見せやすいのだろうが、現に困っている人への視線はそこには無い。自分たちに見えることだけでしか動かないことを、自分たちに今できることをまずやるのだという言葉で正当化して、問題解決の労から逃げるのはいい加減やめにしませんか。

■そうそう、土曜日に雪虫を見た。書いておかないとまた来年わからなくなるからな。