漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

「発達」と「発達障害」を考える2

■二通・長沼セッションの2回目。1回目の模様はこちら。長沼氏は前回に引続き遅刻。仕事で徹夜の上に張り切って資料つくりをしてたそうで、それが原因ではないかとのこと。二通氏は慣れた様子で映画の話で場を繋いでいる。

■内容は前回と同じく、二通氏が教育現場で感じたアスペルガーの子の特徴を挙げ、長沼氏が主に脳の働きからそれを解釈するというもの。「はっきりした見通しを求める」「白か黒かの峻別へと気持ちが向いやすい」「折り合いをつけることが苦手。折り合いをつけるという言葉そのものを嫌う場合もある」。例えば今回はこういったケースが挙がったわけだが、申し訳ない、長沼氏の説明を紹介することができない。というのも俺が理解しきれてないからで、いま貰った膨大な量の資料と格闘している。数回シリーズのこのセッションが終わる頃には理解していたい。

■前回は二通氏の発言が終わるのを待ちきれない、といった感じの長沼氏だったが、今回はどうしたわけか大人しい。相手をさえぎってでも喋ろうとしてたのが、うながされてようやく口を開くといった様子。疲れてるのか? それともやる気がないのか? 実は、前回のオーバーヒート振りを反省し、講演前にリタリンを飲んできたのだそうだ。氏自身、感情の抑制具合に少々驚いているようだった。

■セッション後半、MIND'S EYEと共感覚についての会場アンケートをとった。MIND'S EYEとは、現実にはないものをあたかもそこにあるかのように見ることが出来る能力だ。視覚が優位ということで、発達障害を理解する上で重要な視点であるらしい。例えば、手のひらに、そこにないショートケーキを見ることが出来るか。出来たなら、それを回転させることが出来るか。匂いを感じられるか。手のひらには無理なら頭の中ではどうか。そういうアンケートで、おそよ90人の参加者中13人が実際に見ることが出来るとの回答だった。

共感覚とは、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の五感が関連しあうことで、例えば音を聞いて色が見えたりとか、ある文字とある色が結びついていたりする。これもそれなりの人数が経験していた。

■次回は秋頃の予定。レジュメを見るに、話題は具体的な支援法に向うようだ。アンケートについての考察もあるとの由。終了後の飲み会で、9月にある全障研北海道支部夏期学習会でのレポート発表を依頼され、快諾。さて中身は何にするか。

■ところで、MIND'S EYEならぬMIND'S EARなんてのもあるのだろうか。嗅覚は? 触覚は? 視覚がよく話題になるのは、それだけ外部入力を視覚に頼っているからなんだろうな。