漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

久しぶりに講師業

■超久しぶりに古文を教えることになった。教えることから長いこと離れていたことを実感した。文法や解釈については準備すれば伝えるべき知識は出てくるのだが、自信を持って伝えることが出来なくなっている。

■前は自分なりの一番理解しやすいであろう説明をすれば、後は学ぶ側次第という感覚があり、それが「自信ある態度」「先生っぽさ」になっていたと思う。でも、今回は教えながら自分を観察していてどうも上手くない。言い淀むし突っ込まれたり質問されたらどうしようという不安もある。

■まあでも、これが20年漂流教室をやってきた成果なのかもしれない。こと勉強という分野では大方の人より困り感が少なかった自分が、その感覚を持てたこと。加齢のせいとは思わんとこ。

自転車ほしい

■折りたたみ自転車がほしくてネットやリサイクルショップで探している。星園に置いておけば銀行なんかに行くときに便利だし、車に積んで訪問先に持って行ける。誰か余してないかしら。

■すっかり暖かくなって、桜もコブシも梅も桃も花が咲いた。もうちょっと遅くてもよかったなあ。すぐ咲いてすぐ散ってしまったらつまらない。

■そしてヒグマは東区から白石区をうろうろしているもよう。人も不安だけどクマも怖いだろうな。

電磁葬儀

■3月半ばに知り合いの漫画家が亡くなった。彼のTwitterアカウントがまだ生きていて、数日に一回botがツイートを流してくる。これが流れ続けてくる間中、彼を忘れないでいられると考えると、案外悪く無いとも思える。

■或いはこれは、人を忘れるタイミングは自分で決められることを思い出させる仕掛けなのかもしれない。急逝だったからそんなことを考えたはずはなかろうけど、まあ好きにやらせてもらうよ。邪魔だなと思ったらフォローを外そう。さよならだけが人生だ、ともいうじゃないか。

■しかし、これはbotで漫画の宣伝が流れてくるだけだから気楽に考えられるのであって、これが音声付き動画で亡くなったもみじの動画がランダムに流れるなんてことになってたら、逆に辛いだろうな。数日に一回、えぐえぐ涙ぐむ人になるかもしれん。人の心を揺り動かす電磁記録。(木曜日)

外部支援員

■4月18日の北海道新聞不登校の記事が出ていた。

長引くコロナ禍で学校生活への不安を感じ、不登校になる小中学生が道内で増えている。文部科学省によると、道内で2020年度に30日以上登校しなかった小中学生は8873人の過去最多を更新し、コロナ禍前の18年度比で4割増加した。学級・学年閉鎖で突然の環境変化に直面し、登校が心理的負担になる子どもが多い。専門家は「学校と家庭だけで解決を目指すだけでなく外部の協力も必要」として、スクールソーシャルワーカー(SSW)など学外の支援員の活用などを求めている
 
ー2022年4月18日北海道新聞「コロナ禍、道内の不登校最多8873人 20年度、支援員不足解消が鍵」

■支援員がいるとどうなのか。道内では外部支援員らの指導の結果、2020年度に不登校だった小学生の32.7%に当たる881人、中学生は31.4%に当たる1,937人が再び登校できるようになったんだそうだ。へー。確か全国平均が28%だったので、それより高い。

■とはいえ、SSWの導入はなかなか進んでいない。北海道全体で97人、旭川は80校を2名で対応しているんだそうだ。教育大の平野さん曰く「このままでは不登校の子どもへの支援が『浅く、薄く』なってしまう」とのこと。そうなんだよね。で、そこにオンライン不登校支援が刺さってくると。で、それだけだと家庭の問題に入り込めないから子育て家庭をデータベース化して、「リスク家庭」を洗い出す。
hyouryu.hatenablog.jp
nordot.app

■子供と学校のあいだ、子供と保護者のあいだに入ってくれる人や機関はあってほしいんだけど、で、その仕事がきちんと位置づけられてほしいんだけど、そうじゃなさそうなところが。いや、こんな感覚的なものじゃなくて、ちゃんと根拠を示さにゃいかんな。

星友館中学校開校

■東区にまたヒグマが出たとの情報が。ひー。傷つけず傷つかず山へ戻ってくれ。うっかり豊平川に出ちゃったら漂流教室の事務所でも、我が家の近くでも、どこでも来れちゃう。


■話は変わって、北海道初の公立夜間中学校が開校した。札幌市立星友館中学校。先日、入学式がありニュースに取り上げられていた。

■さまざまな事情で義務教育を受けられなかった人たちに学習の機会を提供する。学びのセーフティーネットとしての機能が期待される。そう語られる言葉に複雑な気持ちがわく。いや、それ自体は喜ばしい。その裏で、これまでも要望はあったのにずっと動かなかったじゃないかと思ってしまう。

■自主夜間中学校「札幌遠友塾」設立が1990年だ。およそ30年前。会場にしていた市民会館の解体が決まり、教育文化会館を経て現在の向陵中学校に居をかまえる。札幌市との交渉はずいぶん難航したと聞いた。

■動きたくても根拠となる法律がなかったのかもしれない。札幌市議会も道議会も国に法整備を求めるの意見書を出している。そう考えると、やはり教育機会確保法は大きなエポックメイキングになったのだろう。この日誌で何度も文句を言ってきたが、夜間中学校には有意義な法律だった。

■本当になんで不登校とくっつけちゃったんだろうと思う。「学びたい」に応えての「教育機会確保」なんだろうけど、不登校は「休みたい」が挟まる。せめてインターナショナルスクールやシュタイナースクールに通っているが、制度上「不登校」にされてしまっている子を対象にしていれば、こんなに混乱しなかったものを。そこへもって周囲の「学ばせたい(休ませたくない)」が入り込んで、もうてんやわんやだ。

■あらためて不登校対策は熱心で公立夜間中学校設置は進まなかったのってすごい。学びたい人には学ばせず、休みたい人には休ませず。学びたい人が学べる、公立夜間中学開校はやはりいいことなのだ。まだまだ数は足りませんが。それに、ちゃんと見張っていないとこんなことも起きるからね。

www.mbs.jp

続ひっかかりがち

NHK視点・論点」を見た。「子どもが『学校へ行きたくない』と言ったら」というテーマで不登校新聞の編集長、石井志昂氏が解説する。

www.nhk.or.jp

■リンク先に文字起こしされているが、簡単に説明すると、子供が学校を休みたいと言い出したら、

  • 「わかった」と言って休ませる
  • 休んでいるあいだは「かぜをひいた時とおなじように」対応

を基本とする。また、普段の心がけとして、子供自身は自分の不調に気づきづらいため、様子の変化に注意を払ってほしい。そのためには雑談の時間をつくるとよいと述べた。

■そのまま長期欠席になった場合の心構えとしては、

  • 親の不安を子供にぶつけない
  • 不登校に詳しい第三者につながる
  • 不登校の「その後」を知る

の3点を挙げ、不登校は「弱い子」や「怠けている子」がなるものではない。誰でも不登校になり得るし、その後も多くは「ふつうのおじさん、おばさん」になると締めた。総じて『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること (ポプラ新書 い 9-1)』に沿った内容で、教育機会確保法に触れなかったのは時間の問題か、それとも今回は「休ませる」ことに焦点を絞ったのか。

■大筋は同意するのだが、言葉のはしばしに微妙なひっかかりがある。たとえば「不登校を覚悟する」。保護者から見れば「覚悟」なのかもしれないけれど、やはり不登校は問題だと述べているように見えないか。あるいは「知識のない人」は不登校はひきこもりになると勘違いするとのくだり。確かに不登校からひきこもりに直線は引けないが、ひきこもりにならなかったならなんなのか。偏見を解こうとしてうっかり差別してしまうことがある。不登校のその後はいろいろだという話をしたかったのなら、あえてひきこもりに触れずともよかったんじゃないか。

■茂木さんからは、「失敗」という言葉はここでは読みたくなかったと感想が来た。確かにかなり強い言葉だ。取り返しがつかない印象を受ける。

■他人のふり見て我がふり直せ。さて、自分はどう話しているか。「Q&A」にはなんと書いたか。ブラッシュアップの種はつねに転がっていますな。

ここから変わる

■昨日の夜に髪を染めました。染めすぎていてもう1回のブリーチだけじゃ抜けなくなったので2回使って色を落としました。頭皮がめちゃめちゃ痛いです。

■最終的には一部分だけ金髪でそれ以外を黒髪というアニメキャラのような髪型にしたいのですが、なんせうまくいかずに茶髪になってしまいました。そう考えると美容師って凄いんだなって思います。

■そろそろ髪も伸びてきて本格的に遊べるようになったので遊んでいこうと思います。ではまた。