漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

続ひっかかりがち

NHK視点・論点」を見た。「子どもが『学校へ行きたくない』と言ったら」というテーマで不登校新聞の編集長、石井志昂氏が解説する。

www.nhk.or.jp

■リンク先に文字起こしされているが、簡単に説明すると、子供が学校を休みたいと言い出したら、

  • 「わかった」と言って休ませる
  • 休んでいるあいだは「かぜをひいた時とおなじように」対応

を基本とする。また、普段の心がけとして、子供自身は自分の不調に気づきづらいため、様子の変化に注意を払ってほしい。そのためには雑談の時間をつくるとよいと述べた。

■そのまま長期欠席になった場合の心構えとしては、

  • 親の不安を子供にぶつけない
  • 不登校に詳しい第三者につながる
  • 不登校の「その後」を知る

の3点を挙げ、不登校は「弱い子」や「怠けている子」がなるものではない。誰でも不登校になり得るし、その後も多くは「ふつうのおじさん、おばさん」になると締めた。総じて『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること (ポプラ新書 い 9-1)』に沿った内容で、教育機会確保法に触れなかったのは時間の問題か、それとも今回は「休ませる」ことに焦点を絞ったのか。

■大筋は同意するのだが、言葉のはしばしに微妙なひっかかりがある。たとえば「不登校を覚悟する」。保護者から見れば「覚悟」なのかもしれないけれど、やはり不登校は問題だと述べているように見えないか。あるいは「知識のない人」は不登校はひきこもりになると勘違いするとのくだり。確かに不登校からひきこもりに直線は引けないが、ひきこもりにならなかったならなんなのか。偏見を解こうとしてうっかり差別してしまうことがある。不登校のその後はいろいろだという話をしたかったのなら、あえてひきこもりに触れずともよかったんじゃないか。

■茂木さんからは、「失敗」という言葉はここでは読みたくなかったと感想が来た。確かにかなり強い言葉だ。取り返しがつかない印象を受ける。

■他人のふり見て我がふり直せ。さて、自分はどう話しているか。「Q&A」にはなんと書いたか。ブラッシュアップの種はつねに転がっていますな。