漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

「事実」

■月曜の日誌に火曜の記事だけど
www3.nhk.or.jp

不登校に関する全国調査 回答方法を見直しへ 文部科学省
(中略)
これまで不登校の主な要因を「いじめ」「無気力、不安」などの項目から、学校側の認識に基づき1つ選んでいた方法を、今後は「いじめの相談があった」「宿題の未提出がみられた」「不安・抑うつの相談があった」など、背景にある事実をもとに複数回答で答える方法にするということです。
(中略)
盛山文部科学大臣閣議後の会見で「不登校の要因の多くが、『無気力・不安』とされていて、その実態が見えづらかった。不登校の要因の正確な把握、あるいは有効な対策の推進に努めたい」と話していました

■これ、これまでは教師の主観で出していた不登校要因を記録される事実に基づくとして「正確になるよ」と言ってるけど、いじめの相談もしなけりゃ、不安の相談もしないで休むことの方が多いだろうし、宿題なんかは、そもそも学校がプリントを持っていって、これはやってくださいと言うのが不登校対応ですという学校もよくあるだろう。だから統計を取ったらなんだかよくわからない、理由不明が爆増するんじゃなかろうかと思う。予言しておこう。

■後、これが不登校の未然防止の言説と簡単に繋がることもあるだろうな。相談があったら不登校になる→相談を少なくすれば不登校も減る、という本末転倒の論理で考える人も出てくるのではなかろうか。教師の主観だけじゃだめなのはわかるけど、事実と言っても自分たちが使いたい意図に沿うデータを集めることになってないか。回答項目のチョイスやその後の語られ方に注目ですな。(水曜日)