漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

続・続伸

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■秋の風物詩、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」。2019年度の不登校児童生徒数が発表されました。前年度よりおよそ16,000人増の181,272人。2012年からのV字回復っぷりよ。これが日本経済だったらなあと思ったら、去年の通信でもおなじことを書いていました。

■ちなみに18万人というのは小樽市石狩市の人口を足したくらいです。北海道の不登校児童生徒数は前年度より1,100人増えて7,630人でこれは夕張市の人口くらい。札幌市はおよそ300人増の2,936人。いま話題の寿都町の人口よりほんのちょっと多いくらい。2,000人を超えたのが2015年度なのでなかなかの伸びっぷりです。

■まあ、普段「学校を休んだってかまわないじゃないか」と言っているくせに増えた増えたと大騒ぎするのは辻褄があわないし、全児童生徒に対する割合は1.88%で圧倒的少数なのは変わりない。それでも中学校では25人にひとりなんて書かれるとああ増えたなと思う。前は36人にひとりとかで、クラスにひとりの割合ですなんて言ってたら、先に少人数制学級を導入された。

■おもしろいところでは「自宅におけるIT等を活用した学習活動を指導要録上の出席扱いにした児童生徒数」が608人と、前年度の286人に比べ倍近くに増えている。それでもほんのちょっとなんですが。ちなみに民間団体、民間施設(いわゆるフリースクールなど)を利用している児童生徒数は6,328人。全体の3.5%とほぼいつも通りの結果に。今後、ここの差はどんどん縮まるんじゃないかな。

■2015年度より統計に加わった理由別長期欠席者数。「経済的要因」が全国で30人。「病気」はおよそ49,000人。「その他」が25,515人。「その他」には、保護者の教育に関する無理解・無関心や家族の介護、家事手伝いといった「ヤングケアラー」、外国での長期滞在、連絡先不明などが含まれます。ここの内訳を知りたいな。

■データおよびグラフは文科省のサイトから。NHK「データでよむ」のリンクも貼っておくけど、そのうち消えちゃうだろうか。5年前と比べると小学生の不登校は2.1倍(中学校は1.4倍)になっている。小学校での暴力行為やいじめ発生件数は5年前の4倍とのこと。そんなに落ち着かなくちゃ不登校も増えるだろうと思うけれど、要因は相変わらず「無気力・不安」が40%でトップなのねえ。
www.mext.go.jp
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