漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

加害も保存

■今日は晴れた。昨日は一日雪で訪問の行き帰りは吹雪いていた。春遠からじ。とはいえ近からじ。

不登校新聞社の事業譲渡と解散の件。まず事業としての「不登校新聞」について書いたが、実際のところはわからない。発表を待つよりない。一方で法人としての「全国不登校新聞社」解散はある程度予想がつく。NPO法人の解散は各種届に契約と金銭の清算を済ませば終わる。なにもしなければ東京シューレ性加害事件での不登校新聞社の役割は検証されず風化する。残念だが先例がある。

■奥地氏はじめ、事件当時に東京シューレのスタッフだった人たちが何名か学校法人シューレ学園にいる。だが、学園は事件はNPO法人東京シューレで起きたことだとして検証への協力を拒否した。不登校新聞の元理事たちも辞めてしまえば無関係とばかりに事件に言及しない。現在の不登校新聞社社員はほっかむりを続ける元理事たちへの怒りを表明していいと思うが、彼らも現体制での総括を避けている。

■新聞社の見解は紙面での表明が本道と俺は考えるが、間に合わないなら、せめて事件の検証報告を出してから解散するのが筋だろう。団体のかかわった事件に対し、団体の責任で調査し、団体の責任で報告する。当たり前だがそれらは団体が存在しているうちしかできない。

■「譲渡後も『不登校新聞』の文化を何一つ損なわずに事業を続けていく予定です」と不登校新聞社はいう。各地の通信局や子ども若者編集部も不登校新聞の「文化」だろう。目玉として宣伝もしたはずだ。その「文化」がなぜ、どのように暴力を生んだか。それらを明らかにしなければ「文化」とともに加害の構造も「損なわず」保存される。またおなじことが起こるだろう。似た活動をする他団体も危険性に気がつかない。そのような状況を不登校新聞社は望むのか。

■まずは事件の検証をするとステートメントを出してほしい。それなしに解散はしないと。ここに書くだけではなく、不登校新聞社にも直接意見を送っておこう。

※ 事件と不登校新聞社との関係、および俺の怠慢はこちら(↓)を参照
hyouryu.hatenablog.jp