漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

これが3月

■元の批判を追い切れていないせいかもしれないが、2月26日の山田の日誌は矛先がどこを向いているのか判然としなかった。家族内介護をする若年者を一様に「ヤングケアラー」と呼ぶわけではあるまい。

家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと

これは日本ケアラー連盟の定義。こども家庭庁は、

「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと。責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります

と若干ニュアンスが弱め。弊害にちらっとだけ触れている。とまれ、「ヤングケアラーをなくす=家族間介護の全否定」にはならないと思うのだが。山田がこのあいだ受けたヤングケアラー支援研修ではどういう説明がなされたんだろう。まあ、そもそも「ケアラー」だからな。人を表す接尾辞をつけちゃったもんで、つい仕組みより人に焦点が当たってしまう。そのせいで、なくそうって言われると存在自体を消しちゃうような乱暴さを感じたり。

■ところで不登校新聞社が法人解散とか。
www.futoko.org

  • 新聞発行含む主たる事業を他団体へ譲渡
  • 紙版の不登校新聞は廃刊(Web版は継続)
  • 法人は年内に解散

などなど。大手新聞社も苦戦しているご時世だ。楽な経営ではなかったろう。撤退もひとつの決断ではある。だが、譲渡されれば報道機関の役割はさらに薄まるだろう。どこが引き受けるのか知らないが、キズキやすららなど不登校コンテンツを展開している会社じゃないだろうか(ネットニュースメディアの可能性もあるか)。「不登校生動画選手権」や「学校休んだほうがいいよチェックリスト」など不登校にからむ企画では不登校新聞社は実績もネームバリューもある。そこで期待されるのは団体の広告塔で報道ではない。

■と、これらは勝手な憶測だが、勝手ついでにこれで法人存続の重荷から放たれたともいえる。売り上げを考えなくていいなら骨太の特集も組めるだろう。譲渡前に本気の記事を見たい。不登校政策の総括に忖度なしのフリースクール批評。なにより元理事たちを呼び出して性加害事件の究明をしてくれ。いまの社員はもっと怒っていいのよ。

■さて、今日から3月。ここから先は事務作業、事務作業、事務作業だ。いや、好きなんですよ事務作業。それだけやってりゃいいならね。でも訪問も楽しいしな。捨てられない。結局いつもと変わらぬ日々を送りそう。〆切りに追われるだけで。あ、フリースクール補助を出している自治体を調べようと思ってたんだ。前に一覧をつくったときより増えているので。ネットワークのQ&Aも直したいし、それよりなにより自団体のサイト。いかん、やらねばならんことがどんどん出てくる。これが3月。