漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

シューレ周辺の記録(その2)

文科省主催の不登校特例校2022年度「全国の集い」が中止になった。準備会事務局が学校法人東京シューレ学園で、母体となったNPO法人東京シューレはかつて性加害事件を起こし、いまだ検証も被害者救済も終えていない。公的機関による重用は被害者への二次加害にあたると被害者本人が声を上げ、事件を重く見る人たちが追随した。

事件が起きたときも民事訴訟で裁判になったときも、NPO法人東京シューレの代表は奥地さんで、いまは学校法人の学園長を務める。学校法人東京シューレは性加害再発防止の取り組みから2021年に離脱した。訴えはまったく正しい。

文科省は中止の理由を明らかにしなかった。「準備をしていく中で様々な御意見をいただいたことから、開催が困難な状況が生じたため中止とさせていただきます」とあいまいな表現で済ませ、自身が起こした加害団体への権威づけも隠してしまった。参加予定者への謝罪はあったが、被害者への謝罪はなかった。

■理由を伏せての告知は憶測を呼ぶ。元文部事務次官で教育機会確保法成立に尽力した前川喜平は、イベント中止について「何か筋違いなクレームがついたため、急遽中止になったようだ」とツイート。さらに加害を広げた。

■そのうちしれっと消してなかったことになるかもしれないので、こうして記録しておく。これは自分への戒めでもある。「被害者本人が声を上げ」と書いたが、それがどれだけ大変か。で、そのとき自分はなにをしていた。

■九州で新たにフリースクールを始めたいという人から連絡があり、zoomで話した。やりたい形を考えたとき、漂流教室が一番近かったんだそうだ。こういうできごとは本当にありがたい。20年もやっているとあれこれ積み重なって自縄自縛に陥る。外にいる人から自分がどう見えるか。タコつぼを打破するヒントを得られるかもしれない。