漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

学校への依頼文フォーマット

■山田の検査結果は陰性だったそうとのこと。安心したのもつかの間、ボランティアスタッフのひとりからコロナに罹患したと連絡があった。それで代わりに日誌を書いている。4月3日の日誌を書いた時点では山田のこともボランティアスタッフのこともまだ知らなかったのだが、本当に近くまで来ているな。くわばらくわばら。

■さて、新年度ですが、「多様な学びプロジェクト」が不登校の子供を持つ保護者向けに学校への依頼文フォーマットを作成しました。

www.tayounamanabi.com

欠席連絡をどうする、プリントの受け渡しは、安否確認に先生が来る。学校とのやり取りで困ったことを全国630名に取ったアンケートをもとにピックアップ。書式に沿って記入すると、個々の家庭にあわせた学校への依頼文ができるという寸法です。書式はこんな感じ。四角にチェックを入れます。

1.出欠連絡の方法について
 (連絡方法: メール ・ 電話 ・ その他            )
□ 登校する日だけ連絡
□  欠席する場合連絡
□  毎日連絡
□ その他(            ) 
 
2.登校刺激(登校を促す学校からの行動)や家庭訪問について
□ 子どもの状況を鑑み、控えていただきたいです
□ 本人が希望するものだけ行ってください
   (希望内容:            )
□ 学校として必要と考えるものは、事前に保護者へご相談ください

■この取り組みには少々懐疑的でした。誰が現状を判断するのか。保護者の判断なら子供の実情からズレたものになるおそれがあります。といって、子供を交えて書くのなら「いつまで」なのかが気になります。これが今後ずっと適用されるなら、子供は身構えるでしょう。どうしたいか子供に尋ねるもなかなか答えず、親子の仲が険悪になっては本末転倒です。大人(保護者)の困りごとを子供と学校との約束事で解決しようとしている点にもひっかかっていました。要望書のはずが契約書になっては困る。

■懸念がすっかり払拭されたわけではありませんが、子供の意思を確認しながら作成する。子供がつらそうなときは無理をしない。依頼文自体も無理に作成、使用する必要はないと明記されていて、ちょっと安心しました。「子どもの気持ちや状況の変化に応じて、修正していく可能性があります」とことわり書きもあります。

■リンク先にはフォーマットのほかにアンケート結果の速報が「事例集」の形でついています。むしろつかいやすいのはこちらかも。困りごととその改善例が載っています。まずこれを学校に配るところから始めたらどうだろう。