漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

フリネットのプレスリリース

フリースクール全国ネットワークが東京シューレでの性加害事件を受けて設置すると言っていた「調査検証委員会」が始まるとのニュースリリース
ニュースリリース 調査検証委員会設置 | フリースクール全国ネットワーク

■中身を見てみる。

当初、東京シューレで起こった性加害事件の事件検証を検討しましたが、当該事件が発生から相当長期間経過しておりかつ裁判により和解で終結していること、フリネットが加盟団体に対する調査権限を有していないことから、調査検証委員会として独自に当該事件に関して調査を実施して客観的・中立的な検証を行う事は困難であると判断いたしました。

調査権限が無いのは当初からわかっていて、何を今さらという感想です。

で、「調査検証委員会として独自に当該事件に関して調査を実施して客観的・中立的な検証を行う事は困難であると判断」したので、

今回の調査検証は、フリースクール運営にあたっての性被害を始めとした人権侵害の未然防止のあり方について公開されている同種事件記録や文献の調査、関係する団体・当事者からのヒアリング等を行い、人権侵害の未然防止のための運営方法・仕組みや、万が一人権侵害事件が生じてしまった場合における適切な被害者保護や調査検証、情報開示のあり方を検証していきます。

「公開されている同種事件記録や文献の調査、関係する団体・当事者からのヒアリング等を行い」の中に東京シューレは含めないということですね。

こう言っていながら

1.目的

NPO法人東京シューレで起こった性加害事件を通して子どもの人権侵害が起こる構造に関して検証を行う。また、フリースクールが守るべき子どもの人権擁護の取り組みを、NPO法人フリースクール全国ネットワーク加盟団体と共有し、フリースクールの社会的地位確立に寄与することを目的として、子どもの人権擁護に関する調査検証委員会を設置する。

目的では「NPO法人東京シューレで起こった性加害事件を通して子どもの人権侵害が起こる構造に関して検証を行う」と言っているのだから、矛盾も甚だしい。というか、これ、公的な文書として残るのは当然「記」から後の文章であり、プレスリリースに書かれていることは事情を説明したものというくらいの扱いになるんじゃなかろうか。要はこれ、二枚舌だよね。こんな玉虫色ではあかんて。(水曜日)