■東京シューレでおきた性加害事件について、フリースクール全国ネットワークの理事会が声明を出した(ようやく!)。それが奇妙な文章で、つい何度も読み返してしまった。
2019年7月に、民事裁判で和解した東京シューレでおきたフリースクールにおける性加害の問題について、当ネットワーク加盟の東京シューレ側からホームページ等を通じて明らかにされました
フリースクール全国ネットワーク理事会の声明文 | フリースクール全国ネットワーク
■冒頭にいきなり「和解」が来る。これを書いた人は、なにをおいてもまず「和解した」ということを伝えたかったようだ。和解したのは東京シューレでおきた性加害だが、文はここからもう一捻りする。「東京シューレでおきたフリースクールにおける性加害の問題」という奇妙な言い回し。「東京シューレでおきた(ような)フリースクールでの性加害の問題」と、フリースクール一般の話になる。
■広くフリースクール全体を対象とするのは、ネットワークの動きとしては間違いじゃない。だが、それなら「東京シューレでスタッフから利用者への性加害があったことが明らかになりました。当ネットワークはこの事態を重く受け止め、フリースクールにおける人権侵害についての基本方針を策定しました」だろう。そうでなくては整合性がとれない。「フリースクールにおける性加害の問題」が「東京シューレによって明らかにされた」わけではないからだ。
■誰が書いたのか知らないが、苦心のほどがうかがえる。いろいろ配慮したんだろうな。その結果へんてこな文章ができてしまったというところが、味わい深い。抑えた分、基本方針ではじけたのか、「今後、個別の団体の利害を超えて」と強烈な皮肉が入っているのもしみじみする。
■まあ、ヒアリングがヒアリングになっていないとか不満はあるけれど、検証するって言ってるんだから検証するんだろう。そこは待ちましょう。検証結果の外部への共有と、作成したガイドラインも加盟団体を越えて共有してくれるとうれしい。