漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

兵、走らない

♪ゴールはここじゃない、まだ終わりじゃない(B’z『兵、走る』)


B'z / 兵、走る -Tour Digest-

■ほんとそんな感じの今年の一学期。札幌の小中学校は今日が終業式だ。もともとは暑いなかの学業は困難だからと夏休みができたんだと思ったが、いつもならとっくに夏休みになっている時期に、冷房のない校舎で、みんなよく勉強している。しかも全然自分たちのせいじゃないのにさ。授業時数が足りるの足りないの、そんなの知らねえよ。誰の都合だ。

■2月の一斉休校からこっち、子供は(大人も)すべきことに囲まれている。マスクをしろ、手を洗え、消毒しろ、むやみに出かけるな、集団になるな、おしゃべりするな…。禁止は「~しろ」の変形だ。あれしろ、これしろと、増えこそすれ一向に減らない。おまけに休み明けには宿泊研修やら修学旅行やらが控えている。

■いまはまだ緊急事態の余勢を駆って走り続けていられるかもしれないが、どこかで限界は来る。倒れて始めて無理をしていたと気づく。そんなことになる前に速度を緩めるのが教師の役割だと思うが、彼らもまた急き立てられるように走っている。じゃあ、速度を緩めるのは、ほかの大人がしなくちゃね。と、こんなことを書いている俺もまた駆け足してない保証はない。

■こんななか学校に来ててエラいなと思うけど、その考え方はよろしくない。ここでほめているのは行動だからね。すべきことだらけの状況で、さらに行動をほめちゃ、「やっぱりちゃんとやらなくちゃ」という気持ちにさせる。そうじゃなくてさ、なにもしてなくったって、このご時世、昨日から今日、今日から明日へと一日一日更新してるだけでたいしたもんじゃない(と、どうしても『~してるだけで』という言い方になってしまうのが難しい…)。

■このままだと夏休み明けが本当に不安だ。もっと気を抜け。手を抜け。兵、走らない。いっそ気絶してようぜ(と、どうしても『~しろ』『~しよう』という言い方になってしまうのが難しい…)。