漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

意味を求めない”おもしろさ”

■眠い。とにかく眠い。気温が10℃、そして手嶌葵の歌声ばかり聞いていてますます眠い。腹も減ったぞ。

■山田さんにおもしろいと教えてもらった筒井康隆の「虚航船団」。一通り読んでみた。もういろいろと意味が分からないので内容の半分も覚えていない。二週三週と読み込まないと覚えないなきっと。全3章構成で文庫560ページくらい。文字が小さくみっちりページに詰まっているのでめっちゃ長い。

■文明イタチの住んでいる惑星に文房具の船団が宇宙から侵略してくるというあらすじなのだが、この文房具が見事に全員狂っている。この文房具船団は通る惑星に文明があれば全て破壊していく任務を負っているのだが、なぜそんなことをしているのか、長い時間のなかで文房具たちも理由を誰一人覚えておらず、そのせいで全員が狂っている。この50近くいる狂った文房具の紹介で1章なのだからもうこの時点でほぼ考えるのをやめている。

■おもしろいかおもしろくないかで言えば、「合理性を求める」人にとっては全然面白くないと思う。なにせSFものなのにどうして文房具が生きているとか、どうやって三角定規が動いているのか等の描写は一切ないのだから。イタチはまだ動物だから納得もいく。だが文房具は無機物だ。手も無ければ足もない。大学ノートとかどうやって船の修理してるんだか、その辺りの合理的説明は一切ない。もう一章の途中で考えるのをやめて、「そういうものだ」という意味を求めない一種の思考停止状態で読むとかなりおもしろい。1800円の価値あり。文庫にしてはかなり高い。

■今日の一曲。冒頭の通りです。原曲は中島みゆき、歌い手が手嶌葵で「ホームにて」。あれ前にも貼ったっけか。まぁいいや

ホームにて - 中島みゆき (Cove 手嶌葵) Sub Thai