漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

不登校は不幸じゃない

■「#不登校は不幸じゃない」というイベントをどう思うか、たまに訊かれる。8月19日に全国100か所で一斉に不登校の子の居場所を開く。このことで「不登校を肯定するムーブメントを作る」んだそうだ。現在、44都道府県92自治体から参加の手が挙がっている。

実はもう文部科学省は「不登校を問題行動と判断してはならない」って表明してるんですね。
あとはもう世間体とかの空気感だと思うんです。だからリアルとSNSで一気に空気を作っていきたい。
小幡和輝オフィシャルブログ→http://www.obatakazuki.com/23624735

■で、どう思っているかというと、なんとも難しい。答えようがないのです。少なくとも俺には「不登校は不幸じゃない」というキャッチコピーは思いつかない。たとえ思いついても使えない。不登校に限らない。「××は不幸じゃない」という表現は、俺にはひどく傲慢に見えて、とてもじゃないが口にできない。でも、この企画が広まった一番の原因はこのコピーが人を引きつけたからで、だからもう、本当にわからないのです。語る言葉を持たない。

■少なくとも不登校関係でこんな全国規模のイベントを俺は知らない。いろんな人が自発的にビデオメッセージを発信しているのもおもしろい。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という。新しいプレーヤーが新しい方法で動いているのなら、「古い革袋」は黙って見ているのが筋でしょう。

■本当に「新しい」かと問われれば、「明るい不登校」と同じにおいがしなくもない。100か所開催が売りで、中身はそれぞれに任せているようだから、8月19日を終えて開催場所の多くが焼け野原のような惨状になっていそうな予感もあるのだが、そんな予想を軽々と裏切っていく気もして、とにかくわからないとしか言いようがないのです。わかっているのは、俺は参加しないということだけですな。