漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

第二回札幌市いじめ等対策連絡協議会

■昨日は第二回札幌市いじめ等対策連絡協議会に参加。教育委員会から校長会から、PTA協議会、子ども人権委員、SC、SSw、警察の少年課など子供にかかわるさまざまな部署があつまる会議で、当然のように時間が足りない。それでもいくつかおもしろい話があった。

文科省の出す「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定を受け、札幌市でも「札幌市いじめの防止等のための基本的な方針」を改訂することにした。改定案では、対応がより細かく記され、なにをもって「いじめの解消」とするかが新しい項目としてつけ加えられた。

■札幌市のいじめ認知件数は、全国と足並みをそろえ増加している。一方で、各相談機関でのいじめに関する相談は横ばいか、さほど増えていない。フリースクールでもいじめを理由にした不登校のケースは減っている。かわりに「対人トラブル」という言葉が増えた。いじめまではいかないが、どうもまわりとうまくいかない。衝突して険悪になってしまう。SNSに書かれた悪口を見て自分のことだと思ったなど。

■とかく悪者にされがちなSNSだが、さっぽろ青少年女性活動協会では「ガールズ相談」として、LINEで女性専用に相談を受けつけている。いじめの相談もなかにはあるとのこと。また、児童養護施設興正学園では夜間、土日の相談電話を受けつけているが、いじめ相談が全体の13%程度あるという。道警の少年課は暴力など、犯罪につながるケースが多い。被害によって相談先が選ばれているのであれば、札幌市のセーフティネットはまずまず機能していると言っていいのかもしれない。

■時節柄、虐待に関する話題も出た。匿名での相談にどう対応するか。それぞれに知恵をしぼって対応しているが限界はある。家庭へのサポートに関する話題もあった。札幌市では巡回型のスクールソーシャルワーカーを5名雇用し、市内の全小学校を回らせているが、相談があとを絶たないという。

■気になった点。改正案ができたとして、実際に対応するのは現場にいる教職員だ。彼らの意見を聞かなくていいのだろうか。校長会の代表者は参加していたが、そうではなく、担任を持っているようなごく一般の先生方の意見は。そして、子供。札幌市には子どもの権利委員会があるのでそこで話されているかもしれないが、いじめの実態を話すのに子供の参加がないのは「抜け」があるように思った。


■それにしても寒い。最高気温がマイナス10℃だとか。これくらい寒い日がないと冬はつまらんよと思う一方、路上生活をしている人たちが頭をよぎる。暖をとる場所はあるのだろうか。山田も参加している夜回りに、今度俺も行ってみようか。