漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

まん延防止措置適用

■札幌へのまん延防止等重点措置適用が決まりました。最近の感染者数を見ていればそれも仕方ない、いや、むしろもっと早くてもよかったのではないかと思います。蔓延してから防止してもしょうがないのでは。泥棒をとらえて縄をなう。広まってからまん防措置。

■ところで、文科省は、感染不安で学校を休ませたいと相談があった場合、「合理的理由」があれば指導要録上の欠席としないむねを通知しています

Q&A(学校設置者・学校関係者の皆様へ):文部科学省

現状は、十分感染のおそれが高い状況といえるでしょう。では、この通知は現在も有効なのか。北海道教育委員会と札幌市教育委員会へ確認しました。結論からいうと「有効」です。在籍校に相談し、校長が可否を判断する。その際、課題の提出などを求められることもあります。学校から教育委員会に照会があった場合は、文科省の通知に沿って対応せよと返答するとのことでした。

■ということで、休みたい、休ませたいと思ったらまず学校へ相談を。ただ、じゃっかん気がかりな点もあります。上記の「Q&A」を見ていて気づいたのですが、「合理的理由」の説明が以前と変わっています。昨年6月に出た「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」では、感染不安から学校を休ませたいと相談があった際は、

感染経路の分からない患者が急激に増えている地域であるなどにより,感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由があると校長が判断する場合

に欠席としないことができるとなっていました。それが「Q&A」では、

単に児童生徒への感染が不安だからとの理由だけではなく、生活圏において感染経路が不明な患者が急激に増えている地域で、同居家族に高齢者や基礎疾患がある者がいるなどの事情があって、他に手段がない場合など、合理的な理由があると校長が判断する場合

と、より細かく指定されています。確認すると今年の2月に改定されたとのこと。現在、「有効」なのはこちらの指針になります。

■もっとも、いまの札幌は「生活圏において感染経路が不明な患者が急激に増えている地域」に該当するのは間違いないでしょう。まん延防止措置適用は「合理的理由」の根拠になり得ると思います。学校へ通うのに不安を覚えたら、ひとまず相談してみましょう。また、今回は札幌のみの適用のため、他地域の学校、教育委員会がどう判断するかはわかりませんが、札幌近郊は十分「生活圏」ですし、ほかの地域も今後のため問い合わせてみていいかと思います。

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■ここからは文句。まん延防止措置にともない、札幌市教育委員会は市立学校に修学旅行の当面延期を通知したという。5月3日の会見で秋元市長は、マラソン開催への疑問に「時期を変更できないイベントを強制的に中止できない」と返答した。市内の中学校97校のうち57校が5月に修学旅行へ行く。こんな直前に延期が可能なものなのか。これだって「時期を変更できないイベント」じゃないのか。

■今回のマラソンはオリンピック、つまり「東京」のイベントだ。市民ランの中止でよりはっきりした。東京のイベントは開催し、札幌の学校行事は延期する。正直なことをいえば、GW前の状況から、修学旅行実施は難しいかもしれないと思ってはいた。それならマラソンも中止にしないと理屈にあわない。東京と札幌をはかりにかけて東京を取ったと思われても仕方ないだろう。どこの街の市長なのか、もう一度考えたほうがいいよ。