■『年収90万円で東京ハッピーライフ』について、9月5日の日誌の続き。
- 作者: 大原扁理,死後くん
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「借金がないこと」
■借金があればそれだけ多く稼がねばならない。月6万円の支出が9万円にも10万円にもなる。週二日の労働であとは「隠居」などと悠長なことは言っていられない。では、なぜ著者に借金がないか。大学へ行かなかったからだ。
■以前、奨学金は遊郭の前借金と同じだと書いた。大学生の2.6人にひとりが奨学金を利用。借入総額の平均は312.9万円。学生の約半分は300万円の「借金」を抱えて社会に出なければならない。高校から奨学金を利用していた、大学院まで進んだとなればさらに額は上がる。とても「隠居」しているヒマはない。
■あるいは海水に似ているか。海で遭難する。飲み水はない。海水を飲めばよけい喉が渇くと知っている。それでも飲まずにいられない。
■学問は個人の可能性を広げるものだと思っていた。自由になるため学ぶのだと思っていた。だが、実際は隠居すらできない。支援ではなく、足かせにしかならない奨学金制度はさっさと改めた方がいい。