漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ハッピーになるお葬式

■後志の困窮者世帯学習支援でお世話になっている余市テラスのマスターが急逝された。昨年も入院していたので体調がすぐれないのは知っていたけれど、ちょっと急でしたよ、マスター。日曜日には余市テラスにおれが行く番で、お世話になる予定だったのに。サンデースクールで行くと、いつも子供らに水を注ぎながら料理を食べる様子をにこにこと見守っていてくれたな。偏食の激しかった子のことを気にかけていただいたこと、美味しいコーヒーをごちそうしていただいたこと、思い出すのはいただいたことばかりではないか。

無宗教で行われた葬儀は、みんなでワイワイガヤガヤ楽しく話してほしいという本人の希望を最大限かなえたものだった。みんなで歌い、ごはんを食べながら余市テラスでよく演奏していた音楽家カーペンターズなんかをやり、ケーナで「コンドルは飛んでいく」を吹く人もいた。実はこの日がマスターと息子さんの誕生日でもあり、ケーキが用意され、ハッピーバースデイを歌ってみんなでお祝い(?)するシーンもあった。こんなに来ている人がハッピーになる葬式なんて、前代未聞だ。願わくば、自分もこういう葬式をしてもらいたい。

■札幌に戻り、録画しておいた子供の貧困がらみで取材も受けていたUHBのドキュメンタリー「17歳の先生」を見た。あすのばで知り合った高校生がカコタムで活動している様子をメインに、後志の学習支援の話や奨学金返済のために風俗業界で働く学生、あすのばの活動に関わる若者たちなど、子供の貧困がもたらす問題を結構幅広く見せる番組になっていた。漂流教室の名前は出なかったけれど、よく顔を合わせる若者たちが何人も出ていた。ちょっと気になったのは、後志のサンデースクールが民間団体が一つでやっている事業のように取られる扱いだったこと。行政がやっていることだとわかるようにしてもらえた方が、良かったな。(日曜日)