漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ミニマム実験

■台風一過、きれいな青空が広がっている。暑い。

■街路樹が倒れたり信号が曲がったりショーウィンドウが割れたり、札幌でもあちこちで被害があったらしい。こんなに激しいのは2004年以来じゃないだろうか。当時の日誌より。

台風。促進センターに行く道、折れた街路樹の数を数えていたが、あんまり多いのでやめてしまった。幹が一抱え以上もあるような木が根こそぎ倒れている。センターの周りの木もずいぶん倒れていて、白い車が下敷きになっていた。今にも倒れそうに揺れている木もあって、その時には「トムとジェリー」のように「倒れるぞー」と叫ぼうと構えていたのだが、残念ながらその機会はなかった。ほか見たもの。倒れた電柱。ひっくり返った車。曲がった信号。折れたカーブミラー。めくれあがった建築現場の防護壁。吹き飛んだ店の入口の幌。同じく吹き飛んだどこかの看板。

そんななか、これから余市へ行ってくる。いつもは山田が行く送迎を代わってもらった。交通規制などはないようだが、安全運転で行ってきます。

■『年収90万円で東京ハッピーライフ』なる本を買った。物欲へ針が振れないからか、精神主義的な内容も多かったけれど、なかなか面白かった。特に、社会や他人と距離を置いたからといって心と体のバランスは取れるようにはならない、という点。忙しくなくても「心の声」は聞こえなくなるらしいですよ、どんな環境にあっても、常に自分でチェックしていなければならない。このあたり、漂流教室の関わり方のヒントになりそうな気がする。まずは「平均的」な暮らしをしてみて自分を知ろうとの提案も、誠実な感じがしました。

■いまの世の中は消費中心で、消費のために働き、給与を得る仕組みになっている。であれば、消費を極限まで抑えて、その分労働も減らそうという発想が出てくるのは当然だ。では、どこまで消費を抑えられるか。鶴見済が『0円で生きる』なんて本を書いているが、そこまでは無理としても、90万円で都市生活が送れるのなら、やってみようという人もいるだろう。同じテーマの本をしばらく集めてみるつもり。

■しかし、著者は30歳なんだよな。勝山名人が『ひきこもりカレンダー』を出したのが、確か同じ歳じゃなかったか。あの本はまだ毒や怨嗟が漏れていたが、それに比べるとずいぶん老成しているというか、社会の変化を感じます。著者インタビューを見つけた(↓)
https://news.mynavi.jp/article/20160923-inkyo/