漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

学校を休んでみよう

■こないだの通信に書いた、学校を休むことのススメです。不登校百万人化計画のためにも載せておきます。

■仕事をする時、原則一週間に40時間を超えて働かせてはいけないということになっています。さて、学校に通っている人はどうでしょうか。中学校だと、朝八時半までに学校について夕方四時に帰るのが多いのではないでしょうか。これで7.5時間で五日間ですから、37.5時間。ただ、それに部活が入ると前後に一時間〜二時間は着きますから、あっという間に大人が働く時間を超えます。その上、家で勉強しなさい、と言われるわけです。大人なら会社が訴えられるレベルです。

■よく「子供にとっては学校が仕事」と言う大人がいます。であれば、体や心が大人になる途中の子供は、大人よりも仕事の仕方に気を使ってもらわなきゃならないはずです。でも、大人は学校は休むなという。こんな風に言ってることとやってることが食い違うのを矛盾といいます。また、自分の体調や気持ちの管理が出来なきゃいけないという大人もいます。体調や気持ちを好調に持っていくためには、しっかりと休養をとることが必要です。なのに、休むと体調管理が出来ていないと言われることがある。これまた、矛盾です。

■成長途中の子供に、大人と同レベル以上に頭と体を使えと言っているんだから、疲れが出るのも当たり前なのです。大人なら疲れた時に「有給休暇」という制度があります。自分で好きなときに申し出て休むことが出来、それでもお給料がもらえるというものです。これならゆっくり休んでまた頑張れそうですよね。ここはひとつ、子供もそういうお休みを取ってみませんか?「不登校が気になる」?気にならない方法を考えてみましょう。

■まず元々不登校と認定されないで済むやり方を考えてみます。不登校は長期欠席の理由の一つとして学校が教育委員会に報告をします。長期欠席は年間30日以上休むと報告されます。ですから、29日までは休んでも報告されません。29日を12か月で割ると、一か月に二日休みをプラスすることができます、休日の前後に休みを取ってオリジナルゴールデンウィークを作るのはどうでしょうか。また、一か月に二日の休みだと五日余ります。夏休みや冬休みがもっとあればな〜という人は、二日の休みと合わせて一週間の延長戦や一足お先の長期休暇も取れます。

■30日以上休む場合は不登校と認定されるでしょう。それが気になる人はいると思います。しかし、昨年文科省不登校は問題行動ではないと明言して学校に通知を出しました。また先日成立した「教育機会確保法」では、不登校の場合の休養の重要性を認め、ひとりひとりの状況にあった学び方・育ち方・学習権の保障を考えるように言っています。つまり、不登校であるということを子供が気にかけなくてもよいのです。疲れないために休みを取ろうというのは、不登校の形の一種です。文科省の定義では「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により」,「登校しないあるいはしたくともできない状況」で「病気」や「経済的理由」が無い場合に不登校と言われます。30日以上休むときには「どうも疲れて足が向かないんです」と話せばいいのです。

■もし子供にとって学校が仕事だとすれば、お給料にあたるものは知識や人付き合いでしょう。それを確実に子供のものにする責任は学校にあります。知識や付き合い方を自分のものにするには、それなりの気持ちの余裕が必要です。是非とも、上手に自分の調子を整えるために、上手く休んでいきましょう。