漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ネットパトロール、ね

■金曜日の生活指導担当の研究会で、しきりに話題で上がっていたのがネットの使い方だ。どの高校の教師も、生徒がSNSで個人情報に不注意な書き込みやいじめにつながる書き込みに戦々恐々とし、ネットパトロールの強化や携帯の朝回収なんて話を当たり前のように話していた。

■一方、同じ後志管内の高校でも、私立ということで当日は参加の無かった北星余市高校では、生徒たちが学校紹介の動画をYoutubeにアップし、それをTwitterで紹介したのを、教師がリツイートするということをしている。

■実際、北星に通う生徒に「LINEとか学校でどうなってるの」と聞いてみたところ、先生たちもしているから変なことにならないという話を聞いた。生徒がトラブルを起こすかもしれないのがインターネットであると考えて延々見張るお仕事と、見張る場ではなくメディアとしてインターネットを生徒と利用するお仕事なら、教員として楽でやりがいがあるのは後者だろうと思う。

■でも、後者ではトラブル発生したらどうするの?という疑問には、ずっと前にパウムハウスを見学した時の日誌が答えてくれる。

■英国雑誌の建築賞を受賞した建物は、6m四方の部屋が24個ランダムに配置されている。死角が多くて施設に向かない、と反対した職員に施設長の宮地さんは、目が届けば見えている思うのは幻想ではないか、と説得したそうだ。目の前にいたって子供の内面まで見えているとは限らない。事実、問題は全て職員の前で起こったそうだ。行動が子供たちのアピールなら至極当然のこと、と施設長は言う。

■子供らの部屋も見せてもらった。カードゲームやガンダムなど、見慣れたものが並ぶ。掲示物は部屋の中に限り、共有スペースには貼らないようにしてるのだとか。「××しないように」「××禁止」といった規則は、すぐにパワーゲームとして子供に影響を与えるからだ。

そう。見張ると生徒を見ていると勘違いするのだ。生徒に見られているのよね。そして、問題はすべて職員の前で起こる。見張っていると、問題となる行動は見せない。「行動は子供たちのアピール」なのだ。見張るのと共同作業、生徒をより見ることのできるのはどちらか。今度の集まりでは、北星余市の生活指導陣を講師として呼ぶといいと思うな。