漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

終末時計

■終末時計が一分進められ世界の終りまで残り三分となった、との報をネットで知る。終末時計といえば、俺が子供のころは進んだ戻ったとそれなりに大きな新聞記事になっていたはずが、最近は全然見ないので、もうなくなったかと思っていたらちゃんとあったのだなって、調べたら福島原発の事故で一分進んだのが直近だった。そ、そうか。知らなくて済まぬ。

■時計の報道はなくったって終末感はちゃんと広まっているらしく、ねえ戦争起こるの? マジで戦争イヤなんだけど、と中学生に問い詰められる。いやいや君たちSEKAI NO OWARI大好きじゃん。は? なに言ってんの、まじめに訊いてるんだけど。人質報道や集団的自衛権をめぐる動きに彼らなりになにかを感じナーバスになっている。子供をこんなに不安にさせる政治はよくないと俺は思うけど、「安心」のために集団的自衛権ですとか面倒な罠にはまるのでうっかり口にできないのが本当に不便で仕方ない。うざったい。

■そのくせ彼らは平気で、家の近所のカレー屋は外国人が経営していて怖いから絶対行かない、というかなくなってほしい、とか言い出して、まてまてあそこはインドカレーで働いてるのもインド人じゃないか、インド人をISILと一緒にするのはあまりに乱暴というか無茶であろう。そうなの? イスラム人じゃないの? そんな人種はおらぬ、イスラム教の教徒はいるが彼らがテロリストなわけではない。イスラム教はナニ人なの? ではキリスト教徒はナニ人であるか。そんな話をするうち、中国嫌い韓国嫌いアメリカ嫌いと国際社会脱退の道を歩みだして、そりゃ終末時計も進むわもう。

■戦争イヤなんでしょ。じゃあまずそういうことを言うのやめないとね、とこつこつ話を積み上げる。不安のうすれる道はきっとそこにしかないと思うし。