漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

第二回イリイチ会報告

■スタッフの小松です。今月27日に、第二回イリイチ会を行いました! わーパチパチ!

■内容は、学校を批判するイリイチの考える理想の教育制度について。箱としての学校は集会場として維持して、あとは各々が学びたいことをよく知ってる教育者と、同じ興味を持つ仲間に適切に繋がれる仕組みさえあればいい、とイリイチはいいました。専門家としては現在のような教師ではなく、そのシステムの管理者と、学習に必要なものについてアドバイスする教育者がいなければならない。とのこと。イリイチの時代はインターネットはまだ普及していないのですが、その想定するシステムは完全に現在の掲示板みたいな形をとっていたので、びっくりびっくり。

■それぞれが学びたいことを学べて、教育ノウハウをすべて網羅した(と公的に認定された)、免許を持っている教師でなくても、技術のある人が教えられればいい。イリイチ会も、脱学校について知りたい人が集まってるという点で、その新しい制度に近いものがあるよなあと思ったりしました。

イリイチの先見の明に感心する一方で、当日はなかなか批判的な意見も出ました。学校を批判しちゃった手前、なにか代替案を出さなきゃって焦ったような記述だよね、とか、ちょっと人間の自発的な学ぶ意欲を信じすぎでは?とか。

■あとは、今だってイリイチのシステムに酷似した、Facebookというツールがあるけれど、国民全員が見ているわけではないし、一部の人が便利に使っているだけなのを見ても、そのようなシステムを整えたところで学びのシステムとしてうまく機能するとは考えにくいよね、なんて意見も出ました。ただ内容を理解してイリイチばんざいするだけにとどまらない会になって、個人的にとても嬉しかったです。

■ちょっと真面目な話の後は、テレストレーションというゲームをやりました。お絵描き伝言ゲーム。爆笑の中お開きとなりました。

■さて、次回のイリイチ会は! 8月24日(日)17:30〜@漂着教室です。持ち物は、毎回変わらず食べたいもの・飲みたいもの。

■脱学校の社会を読むだけでは芸が無いということで、次回は毎回参加してくれている下條さんが「学校に行かなくなった日」という漫画と、その他色々と本を紹介してくださることになりました(^^)。こうやって、ひとつに限定せず何かの本をきっかけにおしゃべりする機会として続けていけたらなあと思います。もちろん前回までのレジュメもご用意しておきますので、イリイチに興味があるんだよっ!っていう初めての方も是非お越しください。喋りましょう。