■ラジオで聴いて気に入ったので、SHISHAMO(ししゃも)というバンドのCDを買ったら、学校に行きたくないって歌が入ってた。
行きたくないのは5月のせいにして
そう言ってたらもう9月
出だしからいきなりつかむ。
■「なぜ学校に行かなきゃいけないんだ」とか「この時間がなんの役に立つんだ」といった視点じゃないところがいい。全体に対立してない。淡々と自分の状態を歌って、で、サビのこの歌詞。
学校には行きたくないよ
考えてるうちにほんとに具合悪くなっちゃうんだから
だから これはズル休みじゃないよね
ズルくなんてない休み
いいなー「ズルくなんてない休み」。「ズル休みじゃない」だけだとうっかりすると対立しちゃう。対立は実は「休むのはよくない」という価値観を共有してたりする。そこにひょいと「ズルくなんてない休み」という、ちょっとずらした価値観を持ち込む。
■なにがズルいかズルくないか、という議論もいいが、一方で、休んだっていいじゃないか、という提案もあっていい。ふたつの価値観があると、ゆれることができる。ゆれるとものを考える。振れ幅の中で自分の立ち位置を決める。深読みかもしれないけれど、この歌にそういうものを感じた。(12/13朝)