漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

陽の当たる場所

■♪Woo 授業をさぼって陽の当たる場所にいたんだよ

RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」。「授業をさぼる=屋上=陽の当たる場所=開放的」「授業を受ける=教室=陽の当たらない場所=閉鎖的」という対比なのだろうけど、こういう比較もできないか。「さぼる=陽の当たる場所」と「不登校=陽の当たらない場所」。

■「不登校」というが、実はさぼっても休んでもいない。学校へは行っていないが外にも出られず、部屋のカーテンを引いて夜まで息をひそめて過ごした、なんて話は多い。身体は家でも気持ちはずっと学校にある。ベイエリアからリバプールまで自在に飛んだりしない。むしろ、さぼらず生真面目に通わねばと思いつめた先が不登校なんじゃないの。不登校は「怠学」ではないという主張がある。確かに、適当に息抜きできれいれば、そんな追い詰められたりしてないかもしれない。SHISHAMOの「行きたくない」と「トランジスタ・ラジオ」の歌詞を並べてみる。

パソコンの画面から頭痛のたより
倒れちゃいそうだよ倒れそうな漫画の塔
学校には行きたくないよ
考えてるうちにほんとに具合悪くなっちゃうんだから
だからこれはズル休みじゃないよね
ズルくなんてない休み

Woo 授業をさぼって陽のあたる場所にいたんだよ
寝ころんでたのさ屋上で たばこのけむりとても青くて
内ポケットにいつもトランジスタ・ラジオ
彼女教科書ひろげてるとき
ホットなナンバー空にとけてった

■とはいえ、スカッとさぼるのは案外難しい。以前、「サボるとツラい」という記事を書いたくらい難しい。特効薬はない。地道にさぼり続けるしかない。「トランジスタ・ラジオ」の彼だって、はじめから陽の当たる場所で寝ころんでたばこをふかしてたわけじゃあるまい。トイレに隠れたり物陰にひそんだり、人目を忍んでいたに違いない。

■そして、いつの間にか授業でもなく自分のことでもなく、「君」のことがふっと浮かぶようになったら、きっと気持ちがいいだろう。