漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

制度を改正するために個人を攻撃する必要はありません

■いじめで肝要なのはアジテーションだ。「理さえあれば大勢で個人を責めてもよい」というのがいじめだから、いじめる側は相手が如何にいじめられても仕方ない人物かを喧伝する。「理」の内容はなんでもいい。雰囲気で構わないから、感情に訴えかけひたすら煽動する。

■そう考えれば、加害者の名前から顔写真までさらすのも同じ構造だと分かる。「いじめの加害者だから」という「理」で、大勢がよってたかって個人を叩く。しかし、そんな罰が本当に妥当なのか。検証したのか。いじめを糺そうといじめをする。いじめがなくならないワケが分かる。みんな好きなんだ、いじめが。

■だから、この意見広告が実現したのはとても意味があると思っている。

(写真もと:https://www.facebook.com/CivilActionJpn
生活保護を不正受給していると、事実確認も曖昧なまま、国会議員が実名を挙げて芸能人を非難した。後を追ったメディアや個人がさらに吊るし上げ、生活保護自体をバッシングし、大臣が制度見直しに言及した。これもいじめのルートをたどっている。

■制度を変えるために個人を攻撃するような手法は認められない。そのことをはっきり示すため全国紙一面を使った意見広告を出したい。資金は賛同者からの募金でまかなう。ひとりのtwitterでの呟きから始まって、今日、毎日新聞に上の広告が出た。多くの人が賛同した。俺もわずかながら協力した。実現して嬉しい。

■生贄を捧げて変わる世の中なんて望んでない。変えるなら議論で変える。いじめを無くしたいなら、アジテーションに乗ってはいけない。制度を改正するために個人を攻撃する必要はありません。