漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

「何もしない」からこそ

VIVO! 2 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 2 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

■4/1に紹介したこのマンガだが、改めて考えるとうまい仕掛けがしてある。

■主人公は臨時採用で教員になる際、「授業以外は何もしなくていい」という条件で雇われている。結局、部の顧問も引き受けるわけだが、それも"自分が楽をするため"に何もしない同好会をつくることでクリアする。校舎から離れたところに自分たちだけの部室を持ち、授業以外はそこで過ごす。

■同好会に入った生徒たちは不登校気味だったり、絵を描いたりでほとんど授業に出ず、基本的に部室にいる。必然的に、教師と生徒が一緒に過ごす時間が増える。もちろん主人公は「何もしない」。関わらないが、同じ時間と空間を共有する、という関係が自然につくられている。

■これで普通の教師を主人公にしたら、授業以外の仕事で忙殺され、生徒と一緒に過ごすことは出来なかったろう。生徒指導もしない、進路相談にも乗らない、「自己中心的」で「授業以外は何もしない」教師だから、逆に生徒と"ただ"過ごす場所と時間が持てる。その結果、特に頑張らなくても、なんとなく物事が解決していく。

■やっぱり「場」を描いたマンガだよなー、と思うのだけど、さて3巻はいつ出るかな。(4/10昼)