漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

またインド

■寝坊した。「漂着教室」を9時に開けなければいけないのが、起きたのが10時過ぎ。驚いたね。別に夜更かししたわけじゃない。むしろ早く寝た方だ。疲れてるわけでもないと思うのだが。とにかく、こんな失態はこれきりにしたい。

■1/6の日誌で、インド人学校が人気という話題を書いたが、こんな記事を見つけた。

昨年12月、インドのEducationalInstituteとIT大手のウィプロ・テクノロジーズが共同で実施した学力調査結果が発表された。インドの5大都市(デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、バンガロール)の有名私立校に在学する4年生、6年生、8年生(日本の小4、小6、中2に相当)の3万2000人を対象に、英語、数学、科学の3科目における学力調査を行った。その結果が衝撃的である。

抜粋すると

・インドの生徒は世界43カ国の同学年の平均を大きく下回った
・丸暗記で答えられる問題は正答率が高いが、理解力や判断力を求める問題では極端に低い
・学習項目を実生活に適用する能力が著しく低い
・語学科目は意思疎通の手段としてではなく試験用の科目としてしか学習されていない

等々である。

要因としては以下のように書かれている。

・非現実的な量のシラバスをカバーしている
・10年生の時の統一試験のスコアにばかり重点を置き、子供の基礎力が養われていない
・教師の教え方にも問題がある。板書と一方的なしゃべりばかりのクラスになりがちである

だそうで、暗記はいいが理解力を試す問題は苦手とか、実生活に活かせないとか、いわゆる「詰め込み教育」批判として日本でも散々言われてきたことだ。だからこその「ゆとり教育」だと思ったが、教育再生会議の提言には見直しを明記するという。そしてインドになるんだな。

■学力のことばっかり取り上げるのは好きじゃないが、PISAでトップの成績だったフィンランドは日本の教育基本法を手本にしたと聞いた。学力を上げたいはずの教育再生会議が、そういった議論をしないのは何故だろう。大体、日本にはずっと昔から棚上げされている課題がある。「少人数学級」。いくつかの自治体では既に実施してるはず。文科省の調査でもその効果は確認されているようだが、これも再生会議じゃ話題に上がらないな。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/029/shiryo/05061101/002.pdf(要pdf)

■そもそも「ゆとり教育」なんて言ってるが、今の中学生を見てると、明らかに俺の頃より大変そうだ。始業式や終業式の日にも授業あるし、反対に行事は減ってるし、修学旅行は土日にかかってるし、本当に勉強ばっかりやってる。土曜の休みをなくそうという話も出てるらしいが、その分、行事が増えるのでもなければ、余計大変にさせるだけだからやめた方がいい。

■俺はどっちかというと土曜通学には肯定的なのだが、それは「時間に余裕があったな」という自身の経験からのもので(思い込みかもしれないから、確かめなくちゃならないのだが)、忙しくなる方向なら反対だ。大体、世の中(建て前でも)週休二日制が普通になってるのに、子供ばっかり日曜しか休みがないというのは通らないよね。