漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

昔と違うこと/同じこと

■寒い。聞けば札幌でも10日ぶりに真冬日だったのだという。路面に注意しながら走るが、ブラックアイスバーンの怖いこと。

■以前訪問していた子が久方ぶりに漂着教室へ遊びに来てくれた。高三でもうすぐセンター試験とのこと。勉強部屋代わりに使ってくれていい。

Youtubeで「懐かし」を検索ワードにしてみたら、1983年のCMが上がっていたのでその頃の自分を思い出しながら見た。松田聖子がカプリソーネのCMに出ていたり、小林克也ボーイ・ジョージ風にメイクをしているCMを見たりしていると、政府公報で関口宏が「最近、子供と話しをしていますか。子供ともっと語り合い、学校と家庭がつながりましょう」というようなことを話している。なんじゃこりゃ、と思ったら「非行予防週間」とやらの広報だった。20年以上前に非行について語られていたことと今不登校について語られる言葉が同じであることに情けない思いで一杯になった。時代も対象も違うのに同じ言葉しか出ないとはどういうことであるか。

■「デモクラシーの基調をなす個人主義が、日本独自の過った見解において、利己主義や猛烈なエゴイズムと勘違いされてきたのは、あきらかに教育の責任である」この言葉は、最近の評論で語られたものではない。「きけわだつみのこえ」第二集に収録されている、昭和十九年に二十四歳で殉職した海軍少尉宅嶋徳光氏の言葉だ。時代が違うのに今と同じ言葉が出てくるのは、対象が同じだからに他ならない。先日のコメント欄できたろうさんが小学校教師から聞かされた言葉への警鐘になるだろう。

■ただ、ぼくが「きけわだつみのこえ」を買ったのは「撲殺天使ドクロちゃん」を探して見つからなかったからということは、宅嶋氏には知られたくないことだ。