漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

競争と成長のこと

hyouryu2006-08-16

■あの写真は下校途中だと思う。修学旅行は始めて道外に出るというので楽しみにしていた覚えがある。青函連絡船も楽しかった。北海道と違った感じの道や植物も楽しかった。奥入瀬はきれいだったなぁ。

■じっとりとした一日。漂着教室を小一時間掃除しただけで、汗で体中がしっとりしてしまった。訪問一件、送迎一件。訪問先では、先週田舎に行ってきた時にケータイで撮った写真を見せてもらった。きれいな青空だった。

■昨日は終戦記念日ということでNHKで政治家と市民の討論番組をやっていた。政治家の言葉にいちいち突っ込むと疲れて嫌なので見なかったが、一瞬だけザッピングしている時に麻生太郎の言葉が聞こえてきた。一瞬だったので正確には覚えていないが「競争はいいことだ。競争がないと成長はない」という話だったと思う。

■彼のように競争こそが成長の元になるという話をする人は多い。しかし、競争しないでも人は成長する。一昨日の写真と比較するべく今のぼくの写真を載せたが、別に誰かと競争したからこんなに大きくなったわけではない。身体だけではなく精神の成長だって、競争によって起こったわけではない。本を読んだり自分のことを振り返ったりする時はいつだって一人だった。もちろん、競争でなければ育たない部分もある。しかし、競争では育てることのできない部分もある。同様に、一人でなければ育たない部分と一人で育てることのできない部分がある。あまり競争の効果ばかり強調しない方がよろしい。極端なことは何事につけよろしくない。

■さらに、「成長」という言葉も疑った方がよろしい。「成長」の行き過ぎが「デブ」に限りなく近づくのは、ぼくの写真を見ればわかるだろう。競争・一人いずれを元とするにせよ、人の身や心に起こることは「変化」と捉えた方がよい。子供が年数を経ることで起こる変化は、大概大きくなるものだから「成長」という言葉で語られるのだが、身体的な変化は人生の中では老化に向かって進んでいるに過ぎないし、精神的な変化を「成長した」と判定するのは、判定する側の精神と相似形に変化しているかどうかに過ぎないことは多い。

■まあ、天下国家を論じていた番組なのだろうから、麻生くんも「人」ではなく「国」についてという文脈で語っていたかもしれないけどね。