漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

訪問も続けます

■家を出ると、外はモヤで白くなっていた。湿った土の匂いが強く立ち上る。ひどく寒い。

■通信を作ってから訪問1件。会って話すも、どうもノリが悪い。眠いのか。気にかかることがあるのか。観察しながら話すうち、子供が突然こう言い出した。「なんかちょっと調子悪いんだよね」。そこまで言って黙ってこっちを見ている。そこで少し意地悪をした。「そうか、調子悪いんだ」。しばらくして、また子供が言った。「結構具合悪いかもしれない」。「具合悪いか。大変だね」。またしばらくして子供が言った。「なんか頭がグラグラするくらい具合悪いんだけど」。「頭グラグラするくらい具合悪いんだ。それで」。「目が回るような感じがする」「うん、具合悪いのはわかったよ。それで」。しばらく遣り取りした後、ようやく彼は言った。「あのさ、具合悪いから早く帰ってもらうことって出来るんだろうか」。「もちろん出来るよ」。どうして欲しいのか、それを聞きたかったんだ。じゃあ帰る。お大事に。

■勘違いしないで欲しいが、何をどうして欲しいのかはっきり言わなきゃ動かない、というわけではない。はっきり口にすること自体がとても大変、という子供もいる。そういう時にはこっちから切り出すことだってある。また、見るからに具合が悪そうならさっさと帰ってくる。今回は今回のケースで、いつもではない。ただ、今まで何をどうするか相手に言わせてた子が、やや強引にせよ、自分の要求を伝えることが出来たのはちょっと嬉しかったかな。最近の成長ぶりを見て、これならいけるのではないかと踏んだが上手くいった。

■ここのところ「漂着教室」の話題ばかりだったが、訪問も今までと変わらず行なう。むしろ、そっちが本業くらいに思っている。「訪問型フリースクール」の看板は外さない。明日から6月。


本日の脳内BGM:ループスライダー(真心ブラザーズ