漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

訪問を終えて

漂流教室の訪問を終えた今思うことは、あー子供って(人って)本当に育つんだなーということです。

漂流教室でボランティアを始めた頃は、子供は勝手に育って行くんだという漂流の考え方に対して、本当に???と正直なところ思っていました(笑)。でも今振り返って思うのは、私は本当に何にもしてあげた気がしていないけど、ただ週に一回おしゃべりしたり一緒に勉強したりしているうちにその子はどんどん変わっていったなということです。

■最初は緊張して黙々と勉強していて、そこから少しずつ雑談をするようになって。愚痴なんかも言ってくれるようになって、そうやって関係性ができていって。そしたら今度は雑談が盛り上がりすぎて勉強時間が取れなくなって。勉強しろなんて全然言った覚えないのに、いつのまにか勉強時間も確保できるようになって。塾講や家庭教師のバイトをしていた時、授業時間をコントロールしているのは私だと思い上がっていたけど、漂流教室を通して2人の時間は2人で作っている時間なんだと考えるようになりました。

■それから、訪問するうちに変わっていったのは子供だけじゃなくてその子の家族もでした。私が訪問することはお母さんにとってもドキドキなことのようで、最初は気を遣われたり会話にどんどん入ってこられたり、お互いにうまく距離を取れていなかった気がします。でもある時、私の訪問中にお母さんが昼寝をしているのを目にして。私がこの子と過ごす1時間はお母さんにとって息抜きになってること、息抜きできるくらい私を信頼してもらえていることがわかってとても嬉しかったです。

■最後に、漂流教室でのボランティアは私自身にとっても大切な時間、機会だったことを書き残しておきたいと思います。

■私はもともと休むことを知らない人でした。やりたいことは尽きないし、期待されたら応えたいし。というか期待を超えて応えたいし。だけど漂流教室でボランティアを経験して、自分を大切にすること、そんなに肩肘張らないことを学んだ気がします。うまく言えないけど、子供達と向き合うのに"ちゃんと"している必要はなくて、それは手を抜いてるのとは違っていて、無理せず自分と相手を両方大切にする感覚です。社会人になる前にこの感覚を学ぶことができて良かったなーと思っています。わかんないけど、少し生きやすくなりそうです。

■そして、そんな風に私自身も変わることができたのは訪問の送迎中にスタッフさんとたくさんたくさん話すことができたからです。訪問中に思ったこと、考えたこと、それ以外にも就活のこと、親とのもめごとなど本当にたくさんの話を聞いてもらいました。1時間の訪問のために往復2時間、訪問先の子よりも私の方が話を聞いてもらえる時間が確保されていて申し訳ないくらいでした(笑)。私は漂流教室のボランティアをやって良かったと心から思っています。私にとって大事な大事な時間をありがとうございました。