漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

知るために

■ひどい吹雪。一丁先の信号も見えない。2件が休みになって、訪問は2件。休みになったうちのひとりは、なんでも突然思い立って、函館へ旅行に行ってしまったらしい。家からも滅多に出なかったのが、若い者の考えることはわからんのう。帰ってきてからの話を楽しみに、空いた時間で日誌を書く。

宮崎勤の死刑が確定した。「漂流教室」の活動は主に『こんにちは、メンタルフレンド―「引きこもり」の子どもの心を開き、家族を開く支援システム』という本を参考にしている。著者の長谷川博一氏は、最近、宮崎勤と面会している。以前、宅間守とも接見していた。死刑になってしまえば、動機解明も謝罪も全て叶わない。生きているうちだからこそ出来ることがある。氏の尽力の動機はそこにある。

■最近になって、宮崎勤の部屋の映像は、わざわざアダルトコミックなどを目立つところに配置し直して撮影したもので、実はそれらは所蔵のごく一部だった、と元記者が告白した(罪の意識にかられて、ではない)。理解したくないものに出会ったとき、人はそれに異形のレッテルを貼り、たやすく排除しようとする。事件が起こるたび、「何故こんなことを」ともっともらしく言う人がいるが、相手が自分と違うと思えば、理解なんて出来るわけがない。「心の闇」なんて「臭い物に蓋」の同義語だ。排除ではなく、知ろうとする長谷川氏を支持する。