漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

そうご理解

■間違えていた。あらためて法案を読み返したら、協議会について書かれているのは「学齢期を経過した者であって学校における就学の機会が提供されなかったもの」に関する項で、要は夜間中学校に関することだった。不登校についてはなにも書かれていない。だから、つくる必要もない。これはなおさら交渉していかないと、置いてけぼりをくらう公算大です。「相互理解」とはそうご理解ください、というダジャレが浮かぶ。

■今年度初のサンデースクールは管内の小学校の先生が見学に来たり、庭木の手入れを利用者が手伝ったり、出入りのある面白い空間に。「居場所」もそれだけじゃ閉鎖的になってしまう。適度に外とつながっているのが楽しいし、過ごしやすい。そうして人の目が増えれば気づくことも増えるし、担える役割も増える。6年目に入る事業だけど、この土地のものになってきたなと感じる。

■引っ越しの荷物の中に第一回のスタッフ研修の資料があった。日付は2002年5月8日。漂流教室は6月のスタートだが、その前にボランティアを集めて勉強会をしていた。長谷川博一著『こんにちはメンタルフレンド』(絶版)をテキストに、「評価しないかかわり方」について学んでいる。

■周りがみんな「理解ある大人」だったら気持ち悪くないか、とか、自分の経験として、評価されないかかわりをされたことがあるか、と問いかけてるのは、本の内容にちょっと納得がいってなかったんだろう。なんとか理解しようと、寅さんを例にいろんな大人がいるゆえの隙間について書いたり、『坊っちゃん』の清や『銀の匙』の伯母さんから存在を全肯定してくれる他者の説明をしている。そして、「『目的を持たないこと』がメンタルフレンドの生命線なのではないか」なんて締めくくって、あれ? この辺、今も同じこと言ってないか。2002年から変わってない。

■成長のなさに我ながら愕然とするけども、「無目的なかかわり」を15年近く続けてまだ団体が残っているのはなかなかすごいんじゃないの、とちょっとだけ自画自賛してみる。(4/11夜)