■今回の選挙では投票マッチングアプリを勧める情報番組やニュース番組が多く、イヤな気持ちになる。さまざまな争点があり、どう判断していいかわからない。考えようにも情報が少ない。そんなとき、いくつかの質問に答えれば自分の考えと近い政党を選んでくれるアプリは便利だろう。選挙に忌避感を持つよりいいのかもしれない。だが、そもそも政党の主張や争点を伝えるのが番組の役目じゃないのか。今回の衆院選は自民党総裁選という箱のなかの争いより報道時間が短かった。自らの責務を果たさずアプリの紹介など本末転倒だ。
■また、アプリの質問項目は本当にこの国の課題であり、答は政党の考えに近いのだろうか。ここに載らない課題はないのか。党の傾向を示すかもしれないが、その党や候補者の起こした不正、不祥事、問題発言などは出てこない。はじめの一歩としてつかうにはいいかもしれないが、アプリ利用は選挙報道が充実していることが条件になる。
■ほかには投票の仕方や、小選挙区制と比例代表制の違いなどを説明する企画も目立った。それこそ学校で習うようなことだけれど、どうして知らない人が多い体裁になっているのか。「学校で習ったことは社会では役に立たない」と賢しらに言う人がいるが、習ったことをもう一度教わるなら、やはり学校教育は必要だし役に立つということじゃないのかな。
■北海道のふたつの地区が激戦で、遅くまで選挙速報を見て眠い。(11/1夕)