漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

今年の3月11日に

東日本大震災で被災した子供らの学習&保養プログラムにかかわったことがある。学校の長期休みにあわせて北海道に来てもらう。説明に福島へ飛んだ。2012年のことだ。

■そこでひとりのスタッフをひどく怒らせた。心に不用意に踏み込んで荒らした。

■俺には、その人が言葉を飲み込んでいるように見えた。自らも被災者でずっと被災地にかかわってきた。口にできない思いがあるのが当たり前なのに、なぜ聞き出そうと思ったのか。あのときはなにかの役に立とうと焦っていた気がする。「外」から来た自分の役目は支援者の支援だと勝手に思い込んだ。自分ならできるはずという変な自負もあった。翌日謝罪したが、許してもらえたとは思っていない。それきり会っていないし、今後も会うことはないだろう。ただ、折りに触れ思い出す。

■あれから意識して他人へのかかわり方を変えた。より慎重に。視野を広く深く相手を見る。自分のあせりをかぶせない。そのために自分も広く深く見る。まだまだ不安だけれど、少しはマシになったろうか。なんて考えている時点できっと慢心がある。

■この話はこれまで誰にもしたことがなかった。今年の3月11日に。

■保養説明会の会場になったカフェは2月の地震のダメージが大きく、昨日、閉店したという。遠くにいるのがもどかしいが、勝手なことを言えば、また始めてほしい。かならず食べに行く。