漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

形ばかりの

■昨年は一週間に10万人を超えていた年末年始のインフルエンザの発症数が今年は70名程度だったそうで、これは感染対策が功を奏し、インフルを抑え込んでいるといっていいんじゃないか。そして、おなじことをしているのにCOVID-19は一日に数千人の感染で、感染力の違いを実感する。

■さて、感染対策の一環ということで、毎年の道教委と民間団体との懇談会も今年度はzoomを使用するということになった。最近、形骸化著しいこの懇談だがオンラインでさらに悪化。一方的に話す、聞くことを情報交換や意見交換とは言わないし、道教委の掲げる「相互理解」にもつながらない。

■北海道の不登校児童生徒数はここ数年、1000人近く増加している。2013年度に4000人を超えたのが、2019年度は7630人だ。では、道教委はこの状況をどう見ているのか。まずそれがわからない。憂慮すべき事態と思っているのか、どうってことないと考えているのか。学校復帰のみを目標とせず、児童生徒の社会的自立を目指すとした文科省の通知を紹介していたが。では、道教委はなにをもって「社会的自立」とするのか。そのさい「フリースクール等民間団体」にはどのような役割を期待して「連携」しようとしているのか。なにも見えない。

■正直、道教委もなにをどうしたものかわからないのかもしれない。不登校が増えているのは全国的な傾向で、おおもとのシステムに問題がある。そこを改善せずに自治体単位でやろうとしても限界があるだろう。だが、一方で、学校に行く行かない以外の問題も子供にはあって、子供の生活や権利をどう守るかということなら自治体でできることも十分あるはずだ。不登校という枠組みを外す、というか不登校を入口に子供の実態を検証し、官民連携でサポートするという懇談会にもおそらくできる。そのためにも道教委がなにを考えているか聞きに行かないと。そして「フリースクール」とはなにかをいい加減あきらかにしないと。これは自分たちへの、ずっと目をそらしてきた宿題。