漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ミニ子育てコンシェルジュ

漂流教室の理事である横山さんが働いている社会福祉法人扶桑苑が、地域の人に様々なテーマで子育てに役立つ講演をするイベント「ミニ子育てコンシェルジュ」で、山田が話してきたのでご報告を。ちなみにこれはこの後12月と1月にもありますので、参加してみたい人はご連絡ください。

不登校とその対応について話してほしいということで打ち合わせをして「学校に 行く行かない行けない行ってない行きたくない」というタイトルにしました。長い。しかし、当日にはちょっと意図があって「学校に 行く行きたくない行かない行けない行ってない」と、順番を変えました。

■今回来る方々は福祉には関心があるけれども不登校に対しては余り詳しくはない人たちがメイン、ただ里親さんがいて、その方は里子で不登校する子がいるのでどう対応するか知りたいとのことでした。そこで今回は「不登校」という言葉にまとわりつく「問題」というイメージを変えつつ、それに関わる人とどうつながるかをワークしながら考えようと思いました。

■ある人が不登校になった時、「行ってない」という状態は当事者以外からは否定されるべきものとして捉えられることがほとんどです。親・教師という立場でなくても、支援者という肩書の人ですら無意識のうちにそれを無くすべきものと考えていることがあります。しかし、当事者にとっては「行く」と「行ってない」(状態)の間に、様々な気持ちのグラデーションがあります。それをタイトルの並びを変えることで見せてみました。

■そのグラデーションを無視して行かない理由を周囲が探ろうとするのは、当事者にとっては気持ちを汲み取ってもらえないだけでなく、隠したい何かを探ろうと周囲が侵入してくることに他なりません。相手のことを知りたいという思いが相手を傷つけてしまうのは、不登校を問題と捉えて何らかの形での解消を目指すことを元にした思いだからです。同じ知りたいでも、相手の現状を受容し共に過ごすためであれば、そうはならないでしょう。

■というようなことを話したりワークしたりで訴えたのですが、終了後に不登校が18万人になったという報道がありました。後二回の話では、それを受けてまた話しを変えるかもしれません。その時はまた報告を。(通信に載せたものの再掲です)

■土曜日は訪問先都合で訪問が二件お休みになった。ちょっとのんびりできたよ。