漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

赤ちゃんの泣き声

■まだ息子が一人で寝返りも打てなかったころ。泣いている息子を必死にあやす私を見て、「少しくらい泣かせておけばいいよ」「泣かせとけばいいじゃん」と色々な人に何度も言われました。「ちょっとくらい泣かせといたって、死ぬわけじゃないんだから」というその人達の言葉は理解できたけど、私はその言葉を無視して必死にあやしました。

■あの当時の私にとって自分の子供の泣き声ほど聞きたくない音はありませんでした。それはうるさいとかではなく、ただ一刻も早く泣き止んでほしいという思いだけ。きっと同じくらいの年の赤ちゃんが泣いていても、「泣いてるなぁ」としか思わなかっんだろうけど、自分の子供の泣き声だけは「泣かないで、泣き止んで」と強く思っていました。それからは、他の人に聞こえる息子の泣き声と、私に聞こえる息子の泣き声は違うんだと思うようになりました。

■「泣いても死なない」のと「だから少しくらい泣かせてても大丈夫」は別だし、「赤ちゃんの泣き声」も、聞こえ方や捉え方が人によって違う。人によって捉え方は様々なのに、知らず知らずのうちに自分の捉え方を他人に押し付けている人は案外多いんだと思いました。