漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

それは年月も経つ

■こんにちは、ボラスタ高橋です。つい先日、youtubeにとある動画がアップされまして、それを見て大変感銘を受けました。ビートマニアに収録されている「ピアノ協奏曲第一番”蠍火”」という曲のピアノソロアレンジだったんですが、まーめちゃくちゃ上手で素晴らしい演奏だったんです。

蠍火という曲は、ビートマニアという音ゲーに収録されているピアノコンチェルトの楽曲なんですが、そもそもビートマニアってクラブミュージックが収録曲の中心で、オーケストラ曲が入るなんて異例中の異例なわけです。しかもそれがボス曲で難易度もめちゃくちゃ難しい楽曲だったので、当時ビートマニア界隈でとても話題になりました。また、楽曲が動画サイトにアップロードされると、音ゲーに詳しくない人たちも楽曲を聞いてそのクオリティに驚いて、音ゲー曲のわりにそれなりに有名になった曲です。

■そういう流れもあって、「蠍火 弾いてみた」動画が一時期かなり上がっていました。ただ、蠍火は大変難しい曲で、人が実際に弾くことを想定されていない譜面でした。(音はすべて打ち込みで製作したそう)なので、聞くととても上手で素晴らしい演奏でも(へたくそ)(全然うまくない)(これ素人でしょ?プロが弾いた方が何倍もうまい)などといったコメントが後を立たない状況でした。

■そんななか、蠍火弾いてみたブームから何年か経ったのち、高校生が「蠍火弾いてみた」動画をアップロードしていました。その演奏は他の人に比べて正確に弾いていて、かなり上手に思えたのですが、その動画にも(ピアノのプロなめんな もっとうまく弾けるわ)みたいなコメントが流れていました。

■月日は流れ、今年の8月。蠍火弾いてみたブームなんてとうのとっくに過ぎ去ったこのご時世にまた「蠍火弾いてみた」動画が上がっていました。その人は6年前に「蠍火弾いてみた」動画を出したものの、そのときの自分は高校生でまだスキルもなく、自分でも納得できる演奏ではなかったと書いてあります。そして、現在はCDを発売し、プロになってもう一度蠍火を演奏したのだそうです。

■高校生の時の演奏もすごい上手だったんですけど、今回の演奏はなんか雰囲気が違うというか、気合に入りようが違うように見えました。「その曲が好きっていうことだけでここまで向き合ってずっと練習して形にするってすごいなって思います。なんか久しぶりに熱い人の熱い気持ちを見た気がしました。

■そんな話です。おしまい