漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

高校のあり方

■昨年おぼえたピエンロー鍋をつくってみた。味はよかったけど、肉が多すぎたのと煮立ててしまったので、あの輝くような黄金色のスープにはならなかった。残念。

■午後からは、地下歩行空間で開催の「CISE サイエンスフェスティバル〜生きものたちの北海道」を経由して、北星余市高校主催「発達障害と高校教育・インクルーシブ教育の現状を考える会」を聴きに行った。シンポジウムは時間も少なく、ごちゃごちゃしたまま終わってしまったが、基調講演の和歌山県精神保健福祉センター所長・小野善郎さんの話は大変おもしろかった。受験による選抜と、早期発見、早期対応に代表される障害の「取り出し」。しかし、高校はすでに全入時代に入っており、事実上の義務教育となっている。そこで必要なのは、選別ではなく、個々がいかに社会とつながるかをサポートする、「移行支援としての」高校教育ではないかというのが主題。そして、たとえば北星余市のような「非専門的支援」が重要な役割を果たしている、と説く。

移行支援としての高校教育―思春期の発達支援からみた高校教育改革への提言

移行支援としての高校教育―思春期の発達支援からみた高校教育改革への提言

■非専門的支援の特徴として、

  • 目の前の生徒と向き合い、なにをすればいいか「自分で」考える
  • 先入観がない
  • 最後まで責任を持ってつきあう(ほかに回すところがない)
  • 使えるものはなんでも使う

といったものがあるという。これは漂流教室のことを考えても納得がいく。大人がいない場所で大人に移行するのは非常に困難だ、という話があった。その点、非専門的な場所では、大人が子供のそばにいつもいる。北星余市の職員室はまったくオープンで、よく生徒が遊びに来る。大人と子供、教師と生徒の区分がない。

■ご存知のように、北星余市は現在、閉校かどうかの瀬戸際にある。しかし、こういう積み重ねがある学校をなくすのはいかにもおしい。ということで、こんなイベントを企画しました。みなさんの参加をお待ちしております。

共育フォーラム×漂流教室「北星余市を知る」

  • 日時:2月13日(土)13:30-15:30
  • 場所:かでる2・7 1070会議室
  • 費用:無料

これまで多くの不登校・高校中退者を受け入れてきた北星余市高校が今、閉校の危機に瀕しています。先日メディアで「2016年春に90名の入学生がいなければ2018年度入試の生徒募集から募集停止措置をとる方針を持つ」と報じられました。
その後、Facebookでは「北星余市の存続を願う会」が立ち上がり、多くの卒業生・保護者が存続を願う声を上げるようになりました。また、関係者でなくとも北星余市の実践を知る方々は同じように北星余市の存続を願っていることでしょう。本企画はそんな存続を願う人々が集まり今現在の北星余市の実践を知るためのものです。
「時間割はどうなっているの?」
「寮生活の費用は?」
「本当に親元を離れて生活できるの?」
等々、素朴な疑問に答えていただき、一人ひとりが具体的な情報を知ることが北星余市存続のための一歩となると考えます。北星余市の存続を願う方、一緒に行動してみませんか。