■「不登校対策の関係機関連携に係る懇話会」という長い名前の会議に参加した。今回が一回目。「札幌市の児童生徒の不登校対策について、学識経験者をはじめ、学校関係者などの専門的見地から意見をもらい、新規の施策構築に資することを目的に開催します」とのことで、施策に反映されるかもしれないのが他の不登校会議との違いか。あくまで「懇話会」ではあるが。
■参加者は他に学識経験者、校長会、PTA協議会、教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど。サポステの松田さん、「フリースクール等で子どもを育てる親の会」の平山さんもいた。
■ひとり5分で不登校について話したらもう時間で、司会はこれを「議論」と呼んでいたが、間違っている。せっかくこれだけのメンバーがいるのだから、小グループに分けて具体的な施策の話などをしたかった。二回目以降考えてくれと担当者に伝える。
■紆余曲折しながら育つ子は一定数いる。そういう子のために複数の仕組があること、その仕組が利用しやすいことが大事である。フリースクールは費用という問題があり、必ずしも利用しやすくない。フリースクール支援を考えるなら、そこに焦点を当てて欲しい。
■また「学校復帰」の意味を柔軟にして欲しい。今は「学校復帰」=「在籍校復帰」だが、ライフステージの中で捉えれば、進学をもって学校復帰としても良いのではないか。フリースクール経由で高校、専門学校、大学へ進む人は少なくない。長期視野で子供の成長を捉えて欲しい。
■学校との連携でいえば、なにより児童生徒への情報提供をお願いしたい。学校にフリースクールネットワークのポスターを一枚貼ってくれるだけでいい。相談できるところ、行けるところがあると知るだけで悩みは軽減する−だいたいこういう話をした。
■教育大の平野さんは、語られているのは「学内外を問わず教育サービスが行き届かない人を減らす」という問題であり、学校だけで解決する必要はないことを強調。北大、横井さんは「不登校」の認識を正確に持つこと、また「教育」の枠を広げ、一見何もしてないようでも、個人の成長がそこにあれば「教育」と見てよいのではないか、とまとめていた。
■最後に数値を。札幌市の不登校児童生徒は微増を続けており、昨年度も1600名を超えている。一年間全欠が80名程度。年間の半分欠席が900名以上いる。関係機関と繋がっていない不登校児童生徒は50%以上。また、別室登校は300名を超える。
■今回の会議は子ども未来局と市教委の共催だった。福祉と教育と、両方からサポートする仕組がようやく出来るかもしれない。手前味噌になるが、こういう動きが出たのは、フリースクールネットワークおよび各親の会の働きかけがあったればこそだ。だからこそムダにしたくない。(9/13夕)