漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

人を中心に置けば

国際人権A規約第13条第2項は、締約国に無償の初等教育を義務づけ、中等教育、高等教育も無償とするよう求めている。日本は1979年に批准。しかし、中・高等教育の無償化は留保している。

十三条

2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。

(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
(d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。
(e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。


参照:国際人権A規約

高校は後期中等教育。大学は高等教育。ちなみに、第3項では学校以外での学びを選択する自由が記されてます。第4項は教育機関設立の自由について。

■要は、初等教育から高等教育まで、その国に暮らす「すべての者」の学びを国は保障せよ、ということだ。今回の高校の授業料無償化もその理念に基いている。だから所得制限をしなかった。あくまで個人の学びを保障するもので、高校に金を出すわけじゃない。そこを勘違いしてるから、外国人学校の授業内容を審査するとか、支援に条件をつけるとか(下品です)、見当違いなことを言い出す。

■「高校生」は16歳から18歳と決まったわけじゃない。長く中卒で働いていた人が、思い立って高校へ行く。もちろんタダだ。高校無償化の理念が彼の学びを保障する。いずれ大学もそうなる、はず。「すべての者」の学びを保障するというのはそういうことだ。学びたいと思った人が、学びたいと思ったときに、学びたい場所で、無償で学べる。それは素敵なことなんじゃないの。施設じゃなく人を中心に考えれば、違う景色が見える。やり方だって増えるだろう。


■訪問1件。数学とは怠け者の学問ですよ、という話と、オンラインゲームの話で盛り上がる。俺のハンゲームのアカウントはまだ生きてるのかな。そして事務所のパソコンは完全復活したのだろうか。今日も山田は修復に汗してたはずだが。