漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ハッキョー考

■小・中学校時代のことを思い出してほしい。友人たちにからかわれたり、何か失敗をしたりという時に我を忘れるほど暴れて、手がつけられない状態になった人のことを揶揄して何と言ってだろうか。ぼくや相馬氏より年上の世代だと「ハッキョー(発狂)した」と言ったことがあると思う。これが僕らより若い世代になってくると、「キレた」と言うだろう。ボランティアスタッフに聞いてもやはりそうだった。この二つ、意味が似ているようでちょっと違うな、と思い当たった。
※ちなみに「キレる」は「ぷっつん」という流行語と関係があるだろう
※「ハッキョー」は「発狂」であるが、ここでは語本来の意味と違うのでカナで書く

■ぼくの考えるところだと、違いはこうだ。

「ハッキョー」…暴れた状態を止めようとするが止めることはできず、こちらがもう関わることができない
「キレる」  …普段より強い怒りの状態に対して使い、暴れた状態を止められるかどうかは関係なく関わりは持たない

つまり、語が表す怒りの状態の範囲は

ハッキョー<キレる

と広がっている。これは言葉を使う我々の側が許容できる怒りが

ハッキョー>キレる

と狭くなっていると解釈することもできる。

■少し例を出してみよう。某スタッフに聞いた話だが、小学校時代にからかわれてリコーダーで机をバンと叩いたら「キレたぁ」と言われた、という。これは「ハッキョー」には当てはまらない。リコーダーを持ったまま暴れ回って手がつけられなくなれば「ハッキョーした」と言うだろう。「ハッキョー」を使う時は、周囲の人では解決のしようが無くなっていて他の人(普通は先生)の助けを借りなければならない時なのだ。対して、「キレる」を使う時は、周囲の人が解決するかどうかは関係が無い。だから、他の人が関わりになることも無い。まとめると、

「ハッキョー」…あきらめ、介入開始のサイン
「キレる」  …無視開始のサイン

といえそうだ。

■午前中、スタッフトレーニングにつき合い、午後まで相馬氏と話し。寿司屋や蕎麦屋のカウンターと呼ばれている部分を日本語で何というか、調べたりする。答えはわかったが、読者のみなさまにはクイズとする。正解しても何もでないが。その後、妹に頼まれているPC作成のためにパーツを探したり、猫を病院に連れて行くために車に乗せたり。夜、ジンギスカン