漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

冬の暮らし

寒い朝。市民活動プラザ星園の前の畑に霜柱が立っていた。子供のころ、霜柱を踏みながら学校へ行くのが好きだった。そんなことを思い出す。

■先日の札幌市職員とのワークショップでezorockが「ホワイト・イノベーション」なる提案をしていた。多雪地帯の100万人都市は世界でもあまり例がない。雪は札幌の水がめであり観光資源でもあるが、エネルギー事情、交通問題などさまざまな課題も冬に集中する。冬の暮らしを快適にするのが札幌の目指す姿だろうというわけだ。断熱効果の高い省エネ住宅の普及や化石エネルギーからの転換など、いかにも環境団体のezorockっぽい主張だ。

■おおむね賛同しつつ(特に高断熱住宅は大事。生活困窮者対策としても進めてほしい)、市民アンケートの「冬でも快適に楽しく暮らせるまちを最も望んでいる」という項目にひっかかった。

■「快適に楽しく暮らす」とはどういうことか。「夏とおなじように」との意味なら無理に決まっている。昨冬の大雪は確かにひどかった。除排雪はまったく間に合っていなかったが、あんなに渋滞になったのは、「夏とおなじように」出勤しなければならず、「夏とおなじように」買い物に出なければならないからじゃないのか。

■歩いて行ける範囲で日常の大半がまかなえる。車に乗る人がすくない街なら渋滞も起きない。いや、いっそ夏のあいだに一年分稼ぎ、冬はできるだけ外に出ず暮らす。そんな未来を考えるのはどうか。もちろんすべての仕事を休みにしたり、リモートにしたりできるわけじゃないが、反対に冬は稼いで夏に遊びたい人もいるだろう。無茶を言っているのは十分承知しているが、ワークショップで流れた札幌市の「まちづくり戦略ビジョン」のVTRだってたいがい夢物語だった。

■ということで、第2次札幌まちづくり戦略ビジョンはこちらから見られます。「飛躍」の項に「冬季オリパラ招致」と「北海道新幹線延伸」とあるけど、いきなり厳しそうですね。
www.city.sapporo.jp