漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

行けない人

不登校新聞の石井編集長が「学校へ行けない人はなぜ増えた? 不登校の歴史20年間をふり返る」というタイトルでYahoo! ニュースに記事を書いている。「クラスカースト」「管理校則」「発達障害などへのまなざし」などを不登校増の理由に挙げ、行政の対応は変化しつつあるものの、「不登校になったときの孤立感・無力感」は20年経っても変わらないと指摘する。

私は不登校になること自体が「悪」だとは思っていませんが、不登校になって苦しむことは解決されるべきだと思っています。つまり、解決されるべきは「不登校をした本人」ではなく「不登校で孤立感を感じざるを得ない社会」です。

■タイトルを見ると不登校はこの20年ずっと増えているようだが、実は2001年をピークに2012年まで漸減している。増えたのは二度の安倍内閣のときだけで、「安倍内閣不登校を増やす説」をなかば冗談、なかば本気で唱えているのだが、今回ひっかかったのは別の場所だ。

■「学校へ行けない人はなぜ増えた」。なぜ「行けない」という言葉を選んだのだろう。確かに「行けない」人もいる。でも「行きたくない」人も「行かない」人もいて、だから「不登校」という間口の広い言葉ができた。それを知らない石井編集長でもあるまいに、どうしたのか。と書いて、タイトルはYahoo! ニュース編集部がつけたのかもしれないと気がついた。はてさて、どうなんだろう。