漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

人数調査

■毎年この時期に厚生労働省が全国で行うホームレスの人たちの概数調査に、深夜行ってきた。数年前から、誕生日記念で行くことにしている。市役所に集合して市内各地の深夜営業しているスーパーやビル、公園のトイレなどを見て回るのだ。数については報告が出るまでは書けないけれど、昨年よりは増えていた。

■調査と言って回る自分の人生と寒い中外で過ごす人の人生が違うのなんて、本当にちょっとしたところのすれ違いの結果でしかないと強く思う。自身の選択や挑戦は大きな社会のうねりの中で翻弄されるものであり、「人生のかじ取り」なんて幻想でしかない。漫画「ハチワンダイバー」に曰く、

常識という巨大ビル群と その最悪の底なし沼との間には 薄氷一枚
透けて見えるほど薄い氷があるだけだ 毎日何万人単位で足下の氷が割れて 人生がぶっ壊れる
男女年齢善人悪人関係ない 誰だって突然そこに落ちる可能性がある

毎年の誕生日にこういうことを思い出し、また一年を生きる。

■まあ、これは喩えだ。実際のところ割れるのは氷ではなく、社会というのは人間が人間とどう付き合っていくかなのであり、そこにまだ手を入れる余地がある。今年は他の日に夜回りも行ってみたいものよ。(火曜日)