漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

自分の人生を

■昨年末にひきこもり名人が吠えていた。「8050危機 ひきこもる子は47歳 このままでは共倒れ」と題した朝日新聞の記事に対してだ。「8050危機」とは80代の親と50代ひきこもりの子の世帯を指す。危機をあおる新聞に勝山名人はこう諭す。

最後に8050問題の解決方法をお教えしましょう。おい、爺さん、もう親やめろ。ピースボートに乗って、世界中を旅してくれい。まず自分が人生を楽しむこと、それでまわりの人が幸せになる

■こちらは吉田聡『そのたくさんが愛のなか。』というマンガから。いま、一番楽しみに読んでいるマンガのひとつだ。

「思うんだが…おまえの長男が今のお前の姿を見たって何も起きねえよ。ああ、親父は生きていて楽しそうだったって思わせなきゃあ、二度とおまえに会いたいなんて思わねえんじゃねえのか?」
「女房や子供や好きなアイドルや、自分じゃない人間の夢を応援するだけじゃダメだろ。そいつはお前が指一本動かさなくてもカンケーなく進んで行く事だ」
「そう、おまえがおまえ以外の人間に笑顔にさせてもらう事があったとしても、おまえを見て、おまえと出会って、どんなヤツが笑顔になれるっていうんだ?」

■子供が元気に学校へ行ったり、一生懸命に働いたり、それは親にとってとてもうれしいことかもしれない。でも、子供(他人)の人生は親(自分)には関係なく進んでいく。そんなことより自分はどうなの。自分は楽しく暮しているの。自分の人生を生きなさい。吉田聡と勝山名人はおなじことを言っている。

■そうは言っても気になるし、心配だしという気持ちもわかるけどね。そんなときはこのセリフをつぶやこう。「おまえを見て、おまえと出会って、どんなヤツが笑顔になれるっていうんだ?」 やれることが少し見えてきそうな気がするでしょう。